開発環境を追いかける方法-PC-BSD/TrueOS
最新の成果物はHEADブランチにコミットされますので、最新の機能を使いたい場合にはこの最新の環境を常に維持し続ける必要があります。基本的にはソースコードをアップデートして、カーネルとシステムを再構築してインストール、システム設定ファイルなどをマージしてから再起動という手順を踏むことになります。
しかしこれは、開発者ではなくユーザが常に実施するには、ちょっとばかり手間がかかるかもしれません。もっと手軽に開発環境を維持する方法はないでしょうか? いろいろなやり方があると思いますが、今だとPC-BSDまたはTrueOSの開発版(現在だと11-CURRENT)を使うのがお手軽です。
PC-BSDはFreeBSDをベースとしたワークステーション(デスクトップ)目的のディストリビューション、TrueOSはPC-BSDのエディションの一つのようなもので、用途をサーバにしたものです。PC-BSDプロジェクトは1ヶ月ごとのアップデート周期でこれらディストリビューションの開発版を提供しています。アップデート作業も基本的にはアップデートコマンドを入力するだけです。
TrueOSは素インストールのFreeBSDと比較して、ある程度システムが設定されているのと、ある程度のパッケージも最初からインストールされています。とりあえず動作するCURRENTのサーバがあればよい、といった場合にはTrueOSの開発版はロジカルな選択肢ではないかと思います。
TrueOS 11-CURRENTのインストール方法
インストールは素のFreeBSDとは異なりますが、特に迷うことはないでしょう。ダウンロードサイトから11.0-CURRENTの最新のTrueOS ISOインストールイメージをダウンロードしてきてインストールしてください。次にスクリーンショットでインストールの流れだけ書いておきます。
インストールが完了したらシステムを再起動します。これでTrueOS 11.0-CURRENTが起動してくると思います。
TrueOS 11.0-CURRENTを最新版へアップデートする方法
TrueOS 11.0-CURRENTのシステムおよびパッケージは今のところ月に1回のペースでアップデートが提供されています。基本的にはこの最新版へ毎月アップデートするというのがTrueOS 11.0-CURRENTの使い方です。
アップデートにはpc-updatemanagerコマンドを使います。pc-updatemanagerコマンドでシステムとパッケージの双方が最新版へアップデートされます。
まず、サブコマンドにcheckを指定してアップデート対象が存在しているかどうかを調査します。
アップデートが存在している場合To install:のあとにアップデート方法が出力されますので、このコマンドをそのまま実行します。
アップデートの第1段階が終了したらシステムを再起動します。再起動後に自動的にアップデートの第2段階が実行され、自動的に再起動がかかります。
起動してきたシステムにログインしてuname(1)やfreebsd-version(1)でバージョンを確認すると、ここでは4月版から5月版へアップデートされていることがわかります。
まとめ
毎日ではないものの、時々最新版の機能を試したいといった場合には、こうした使い方もできます。