2021年7月中旬からクラウド運用担当者のノウハウを共有するイベント「Cloud Operator Days Tokyo 2021」がオンラインで開催中です。今年はクラウド運用者の実体験をテーマにして公募した中から選ばれたものやスポンサーセッションなど、全60セッションをオンデマンド配信する方式で開催、2000名の視聴参加者を予定しています。
当初「OpenStack Days Tokyo」として2013年に始まり、毎年開催されてきたこのイベントですが、2019年にLinux FoundationのプロジェクトであるCloud Native Computing Foundation(CNCF)が支援する「CloudNative Days Tokyo」との共催を経て、2020年から現在の「Cloud Operator Days Tokyo」という名称で開催されることとなりました。
こうした技術状況の変化に伴い、クラウドインフラを使ってシステムを構築する側も「クラウドをどう構築するか」から「さまざまなクラウド周辺技術、サービスをどう組み合わせるか」に興味の中心が移ってきました。このようなエンジニアの志向に合わせてOpenStack周辺の技術動向や、それらの情報交換の場とされる「OpenStack Days Tokyo」も進化を遂げていきます。「Cloud Operator Days Tokyo」となってからも、もちろん「運用」という切り口でコンテナやDevOps、セキュリティなど注目のテーマは押さえたセッションプログラムとなっています。
また先に上げた2019年の「CloudNative Days Tokyo」との共催に象徴されるように、OpenStackと直接関係なくても、クラウド基盤にまつわる最新の技術テーマで毎年盛り上がりを見せました。今年もCNTOMとの共催による、かなりコアなセッションが用意されています。
そして「OpenStack Days Tokyo」のころから毎年欠かさずOpenStack Foundation(現OpenInfra Foundation)のCOOであるMark Collier氏が行う基調講演も人気を博しています。名前は変わっても、イベントのスピリッツといえるぶれない軸の部分は残しつつ、セッション内容や運営方式は、その年の技術動向やエンジニアの興味を引く事柄ににマッチする形で開催されてきたといえるでしょう。
2020年、「Cloud Operator Days Tokyo」として開催される初年で、多くのイベントがコロナ禍により全面オンラインでの開催を余儀なくされました。「Cloud Operator Days Tokyo 2020」はそんな状況の中、ライブ感を重視しようという方針から、録画したセッションをオンラインでライブ配信し、同時にインタラクティブな視聴者の質問にも対応するという非常に凝った方式で開催されました。
そこで、2021年の「Cloud Operator Days Tokyo」は、公募やスポンサーセッションはすべてオンデマンドで配信し「いつでもどこからでも」を確保しつつ、大詰めの8月27日に基調講演を含むライブイベントを行いライブ感を演出するハイブリッド形式の開催となりました。さらにオンデマンドセッションの中からアワードを選びライブイベントで発表することで、オンデマンドの視聴者とライブイベントをうまくつないでいます。2020年開催の経験を活かした工夫ですね。また、発表する側だけではなく視聴者にもプレゼントが用意されています。どこまでも用意周到です(笑)。来年の開催はどう進化するのか、非常に気になるところです。
「Cloud Operator Days Tokyo 2021」はすでに始まっています。まずは実際に参加して、クラウド運用のリアルを感じ取ってみませんか?
次回は後編として、編集部が注目するセッションなど、「Cloud Operator Days Tokyo 2021」をより深く楽しむ方法を探ってお届けします。