はじめに
過去のJANOGでは、どちらかというとネットワーク寄りの話題が中心に議論されてきました。しかし、今回のJANOG26ではレイヤを越えた議論というのがコンセプトの1つとなっています。
今回は、そんなさまざまなレイヤの方々にも興味を持っていただけるネットワーク系のプログラム「IXPセッション~頑張ってトラフィック支えてます~」のご紹介です。
IXPというとネットワークレイヤに片寄った話と思ってしまいますが、IXPをよく知る方も、よく知らない方も楽しめる内容になっています。
「IXPセッション~頑張ってトラフィック支えてます~」は2日目(7月9日)9:35開始予定です。
なお、JANOG26のプログラムは以下のURLにて公開されていますので、併せてご参照ください。
- JANOG26 Meetingプログラム
- http://www.janog.gr.jp/meeting/janog26/program/
IXPとは?
プログラムのご紹介に入る前に、そもそもIXPとは何なのか簡単にご説明します。IXPとは、Internet eXchange Pointの略で単にIX(Internet eXchange)と呼ぶこともあります。
インターネットはインターネット接続事業者(ISP:Internet Service Provider)などのネットワークの相互接続により成り立っていて、IXはその相互接続のポイントになります。よく例えられるのが高速道路でいうところのジャンクションのようなものですね。
一般的には ISP同士が直接相互接続するよりも、IX経由で相互接続するほうが経済的でかつインターネットの構成としてもシンプルなものになります。
日々の生活とともにあるIX
このように、IXは、インターネットにおけるバックボーンとして現代社会を支える重要な役割を担っています。総務省の公表しているデータ[1]によると協力ISP7社のブロードバンドトラフィックのうち、約20%がIXを経由していると考えられています。気づかないうちにIXにお世話になっているんですね。これだけ重要な役割を担っているわけですから、その分、品質維持など日々苦労されていることがたくさんありそうです。
また世の中のイベントやトピックに合わせて IX を経由するトラフィックも絶えず変化しています。インターネットが日々の生活になくてはならないものであることがIXを流れるトラフィックからも鑑みることができるんですね。
このプログラムではそのあたりのお話にも触れていただけるようです。
どのIXも抱えている問題は共通
プログラムでは、いくつかのIX 事業者の方が集まり、発表をしてくださいます。
当然IX事業者も各社それぞれの得意分野を持っているわけですが、どのIX事業者も抱えている問題は共通なのだそうです。IXの特性上、たくさんのお客さんが接続していますので、どのIX 事業者も、障害を起こさないこと、また万が一障害が起きたとしても全体へ影響を与えないことへの意識は皆同じなんですね。
先日、プログラムの事前打ち合わせに同席させていただきましたが、発表者一同、日頃抱えている問題に対して同じような認識を持っているのだと実感しました。
その場でもすでにちょっとした議論になっていて、しかも話題が尽きません。本会議の限られた時間では語りつくせないほどの興味深い話が飛び出していました。もちろん、当日は1時間の枠で選りすぐりのおもしろい話題を提供していただけるようなので、期待していてくださいね。
プログラムへの意気込み
最後に発表者からプログラムに対する意気込みをいただきました。
発表者からの意気込み
レイヤ2(L2)IXの基本的なサービス内容は、お客様同士のパブリックピアリングのためのL2ネットワークの提供です。これは、すでにIXに接続している方などには、ご存知のとおりかと思います。
実はIXの中では、安定した信頼性のあるネットワーク、顧客動向に合わせたサービス開発などなど継続的な試行錯誤も行っています。
これらの取り組みはそれほど表に出ていないよね、しばらくJANOGでIXPのセッションってなかったよね、というのが、今回のプログラムを応募をしたきっかけとなっています。
IXPでは、IXユーザ会なるものをやっていて、IXの構築、運用をやっていくなかで発見した様々な内容を、利用しているお客様に報告させていただく機会もあります。
今回のセッションでは、いくつかのIXPが集まることによって、IXに接続をしていないネットワークを運用している方にも、有益な議論や情報交換ができないかということがねらいです。
普段IXは利用しているけれど、実際どんなことをしているか知らないという方や、昔から使っているけれどトラフィック増えているだけで進捗ないよね、と思われている方には「目から鱗」のプログラムになると思います。また、ASは持っているけれど、IXは利用していない方などにも会場にきて一緒に議論に参加してほしいです。
参加者との議論で何か新しいものが生まれるとおもしろいですね。
ぜひ、IXPセッションにご期待ください。