LinuxCon Japan/ Tokyo 2010の歩き方

第1回LinuxCon Japanに来て、世界中のLinux/OSSリーダーと会おう!

まず質問です。

  • あなたはLinuxコミュニティのことをもっと知りたいですか?

  • あなたはLinuxの世界で誰がどんな試みをしいるか知りたいですか?

  • あなたはLinuxの今後の展開に興味がありますか?

  • あなたはLinuxの開発プロセスに参加したいですか?

  • とにかく、あなたはLinuxが好きですか?

今この記事を読んでいる方で、1つでも該当する項目がある方は、ぜひ今年の9月27日から29日はカレンダーに「LinuxCon Japan/Tokyo 2010」と書き込んでおいてください。

「LinuxCon Japan/Tokyo 2010」⁠以下「LinuxCon Japan」と言います)は、日本、アジア諸国はもちろんのこと、世界中からLinux/OSSの開発を牽引するリーダーやトップクラスのエンジニア、意思決定者、および業界エキスパートが結集し、さまざまな観点での講演や議論を行うカンファレンスです。

これだけの規模感で、これだけ多数のLinux/OSSリーダーが大集合する会議は、日本のみならず、アジア全体を見渡しても、このLinuxCon Japanだけです。しかも、LinuxCon Japanは、業界リーダーたちの話をただ聞くだけの場所ではないのです、興味、問題意識を持つ参加者が、実際に議論に参加し、Linux/OSSで実際に抱えている課題を、実践的に協議を行うことができるという、希有な機会なのです。

したがいまして、先に掲げた5つの質問の中で該当がある方にとっては、本当に価値のあるカンファレンスであると言えるのです。

今回このスペースをお借りして、今から約3ヵ月に渡ってLinuxCon Japanの魅力、見所を余すところなく読者の皆様にお伝えしたいと思っています。

今回はその第1回目として、LinuxCon Japanの全体像を、今回特に注目されるスピーカーの情報を中心にご紹介します。

基調講演

IBM オープンシステム開発担当バイスプレジデント Dan Frye氏

Dan Frye氏は、IBMにおけるLinux/OSS事業を立ち上げ、エンタープライズ分野での利用に先鞭をつけ、今日に至るまで成長させた立役者です。しかし、最初からLinux/OSSとうまく付き合うことができたわけではないと言います。IBMおよびFrye氏自身が体験を通して学んだ「Linux/OSSをビジネスで活用する意義・価値・手法」などをご紹介いただく予定です。

Google オープンソースプログラムマネージャ Chris DiBona氏

Android、クラウドコンピューティングなどの事業を通してオープンソースの一大ユーザであり、またコントリビュータでもあるGoogle社のオープンソースに対する考え方や取り組みについてご講演いただきます。

LWN.net Jon Corbet氏

LWN.netの編集者として、カーネルコミュニティの最新情報をいち早く世の中に伝え続けているJon Corbet氏には、初日の最初のスピーカーとして登場していただきます。コミュニティにおけるカーネル開発の現状分析と、今後の動向の予測を、LinuxCon Japanのセッション紹介を絡めつつお話頂く予定です。

Novell フェロー Greg Kroah-Hartman氏

Stable BranchのメンテナとしてLinuxカーネルコミュニティにおける開発をリードする立場から、カーネルコミュニティの現状、課題、今後などに関してご講演いただきます。

カーネルメンテナ特別講演

上記のキーノートスピーカーに加え、James Bottomley 氏(SCSI Subsystemメンテナ、Novell⁠⁠、Christoph Hellwig 氏(Storage Virtualization⁠⁠、Chris Mason 氏(Btrfsメンテナ、Oracle⁠⁠、 Chris Wright 氏(KVMメンテナ、Red Hat)など、Linuxカーネルコミュニティを牽引するコア開発者が多数来日し登壇する予定です。

技術発表

Linux Foundationが独自に実施した調査に基づき、現在国内で注目を集めている以下の分野を中心としてプログラムを構成しています。これらのホットな分野におけるトップリーダーの講演は、Linux/OSSに関心がある開発者、OSSシステム利用者からトップマネージメントに至るまで、幅広い層のニーズにお応えできる内容です。

  • Linux Kernel
  • 仮想化/ネットワーク
  • Trace
  • 組込みLinux
  • PostgreSQL
  • OSSエコシステム(運用/コンプライアンス/人材育成)

中でも特に注目の分野(セッション)は次の通り。

「仮想化/ネットワーク」「Trace」技術

特に注目されるのは、クラウドコンピューティング時代のキーテクノロジである「仮想化/ネットワーク」と、証券取引所などの大規模システムにおける信頼性確保に極めて重要な技術である「Trace」技術です。これらのキーテクノロジの発展を牽引するコア開発者の間で、重要な議論・決定が行われるものと期待されます。

組込みLinux

AndroidやMeeGoの登場などにより、組込みLinux が昨今急速に注目を集めています。日本における情報家電やモバイルの分野におけるLinux/OSSの活用について、重要な議論・決定が行われると期待されます。

PostgreSQL、OSSエコシステム(運用/コンプライアンス/人材育成)

日本でも多くの企業が活用しているOSSデータベースであるPostgreSQLの開発コミュニティのリーダーJosh Burkes氏が講演を予定しており、国内外のPosgreSQL開発コミュニティから多くの開発者の来場が見込まれます。PostgreSQLコミュニティでの今後の開発の方向性に関する活発な議論が行われることが期待されます。また、Linux/OSSのビジネスシーンにおいて特に関心が高まっているコンプライアンスや人材育成についても、セッションが設けられています。

以上で説明したのは、LinuxCon Japanの魅力の本当にごく一部です。日本からも業界をリードする多くの技術者が発表を行い、世界から集まるリーダーたちと議論を戦わせます。そこから日本の開発者がコミュニティの中で非常に重要な役割を担っていることをリアルに感じて頂けるかと思います。

さて、もう一度質問です。

  • あなたはLinuxコミュニティのことをもっと知りたいですか?

  • あなたはLinuxの世界で誰がどんな試みをしいるか知りたいですか?

  • あなたはLinuxの今後の展開に興味がありますか?

  • あなたはLinuxの開発プロセスに参加したいですか?

  • とにかく、あなたはLinuxが好きですか?

1つでも該当する読者の方、今年の9月27日に東京の六本木アカデミーヒルズでお会いしましょう!

「LinuxCon Japan/ Tokyo 2010」開催概要

日程2010年9月27日(月⁠⁠~29日(水)
場所六本木アカデミーヒルズ
内容基調講演、カーネルメンテナの特別講演、技術発表、チュートリアル、Birds of a Featherセッション、ミニサミットなど4トラック、全体で約60セッションを予定(プログラム詳細は順次Webサイトにて公開⁠⁠。
来場者約500名(予定)
対象Linuxおよびオープンソースソフトウェアに関心を持つすべての方
参加費300USドル
⁠7月15日まで早期登録割引として200USドルにて登録が可能/学生は75USドルにて登録可能)
申し込みLinux FoundationのWebサイトから
URL:http://events.linuxfoundation.org/component/registrationpro/?func=details&did=33
会員割引The Linux Foundation個人会員は210USドルで参加できます。
The Linux Foundation個人会員(年会費99USドル)は、各種イベント参加費の割引のほか、数々の特典があります。詳細や申込み方法は個人会員ページをご参照ください。

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