今回からMRTGのコンフィギュレーションファイルの作り方について解説します。
コンフィギュレーションファイルとは
MRTGにおけるコンフィギュレーションファイルとは、MRTGを実行する際に読み込まれるファイルのことで、下の例では、mrtg.cfgを指します。
今回はmrtg.cfgを記述する際に必要となるキーワードのうち、主なものを取り上げて説明します。
コンフィギュレーションファイルの作り方
ここでのMRTGのコンフィギュレーションファイルの作成方法は、手作業で行うことを前提に説明しています。したがって、viなどのエディッタを使ってmrtg.cfgを書き換えてください。
なお、cfgmakerには、テンプレート機能がありますので、複数の監視対象機器についてのコンフィギュレーションファイルを自動生成させることもできます。この機能については、後の回で取り上げる予定です。
キーワードの説明
WorkDir:
MRTGが作り出すログのデータベースファイルやWebページ用のGIFファイルなどを保存するための基本的なパスを示します。ブラウザで参照できるデータとして出力しなければなりませんから、Webサーバのドキュメントディレクトリを指定します。
たとえば、このようにviエディタを実行し、次のように編集します。
IconDir:
MRTGで作成されるHTMLページの一番下には、GIFファイルで“MRTG MULTI ROUTER TRAFFIC GRAPHER”というロゴが表示されるように作られていますが、MRTGの標準的なインストールのままではロゴは表示されません。
このGIFファイルは、以下のパスにインストールされています。
このパスではドキュメントディレクトリの外ですので、シンボリックリンクを貼って、ブラウザから参照できるようにします。
次に、mrtg.cfgの中に、このGIFファイルがあるパスを明示します。このためにIconDirを使います。先ほどと同じくviエディタでmrtg.cfgを編集します。
Directory[]:
MRTGは1つの監視対象機器につき、以下のように複数のログファイルや画像ファイルが生成されます。
MRTGはWorkDirで示されたディレクトリに、出力ファイルをすべて保存します。しかし、監視対象機器が複数になるとファイル数が増加するため、煩雑になります。とくに問題になるのが、後で監視対象から外れた機器が出てきたときです。大量のファイルの中から特定のファイルだけを削除するのは、不安が付きまといますから、削除作業そのものを怠りがちになります。
そこで、Directoryというキーワードを使いましょう。Directoryは、WorkDirで示されたパスの下にDirectoryで示されたサブディレクトリを作成し、その中にログファイルと画像ファイルを作成してくれます。先ほどと同じくviエディタでmrtg.cfgを編集します。
上記にあるようなDirectoryキーワードを明示すると、以下のようなパスにファイルが作成されます。
Options[]:growright
cfgmakerで作成したmrtg.cfgを使ってグラフを作ると、そのグラフの時間軸は、左から右に向かって時間が流れているグラフになります。これを右から左に向かって時間が流れるようにするために、growrightオプションを使います。
記述方法は、以下のようにします。
Options[_]に見られるアンダースコアは、このオプションが、すべての監視対象機器に有効にするということを示しています。
Language: eucjp
この指定をすることで、基本的なHTML上のメッセージが日本語に変わります。また取り扱えるキャラクターコードは、EUCのみですが、mrtg.cfgの中に、EUCで日本語を埋め込んでも正しく表示されるようになります。
次回は
今回は、最小限のキーワードについて説明しました。次回もまたコンフィギュレーションファイルの作り方を説明しますが、とくに全容がわかるように説明をしていきたいと思います。