R&Dトレンドレポート

第15回マッシュアップ開発のススメ

はじめに

今回から新しいテーマ、マッシュアップ開発をとりあげます。

前回のMA6最優秀賞のインタビューもありましたが、今日のアプリ開発ではマッシュアップは切っても切れない関係にあると思っています。何かのアプリを開発しようとしたときに、位置情報はGoogle MapsやYahoo! Mapを使おう、と思うのは自然ですよね。

そういう意味では、マッシュアップというキーワードそのものが⁠当たり前⁠になって聞かれなくなっているかもしれません。

マッシュアップとは

マッシュアップという言葉ですが、元々は、音楽用語で複数の音源を組み合わせて新しい楽曲を表現する、という意味があるそうです。

IT業界でいうマッシュアップもやはり同様な意味合いを持っており、

  • 複数のWebサービス
  • Webコンテンツ

を連携させて、1つの新しいサービスを提供するということになります。

よく見かけるのはGoogle Mapと何か別のPOI情報(Point Of Interesting:位置情報)のマッシュアップですね。シームレスな表現が可能なAjaxアプリケーションを頭に思い浮かべます。

さて、そのようなマッシュアップアプリですが、出現までにどのような流れがあったのでしょうか。簡単にひもといてみたいと思います。

Ajaxとweb2.0

Ajax(Asynchronous JavaScript + XML⁠⁠。Google Mapsに代表される技術ですが、実はベースとなる技術そのものはすでに存在していました。それをGoogle Mapsといった実際に動作する、象徴的なアプリケーションをリリースしたことでAjaxという名前は一気に浸透しました。

また、Web2.0という概念も同時期に提唱され、2.0という明確なバージョンアップの言葉のおかげでWebの世界は一気に変わった気がします。

それまでは単純なHTMLページを閲覧するビューワーに近かったブラウザですが、Webアプリのプラットフォームとして認められました。Ajaxを使用することでネイティブアプリに劣らない操作性が実現したことも大きいですね。

もちろん、PCの性能向上、インターネット回線の高速化など、多くの要因があったと思いますが、時代は一気にWebサービス・Webアプリへと加速します。ブラウザはPCに付属しているので特別なインストール作業が必要じゃなかったことも重要です。

また、Webアプリケーションの構成もMVCフレームワークの導入により、役割が明確に分離されるようになりました。ビジネスロジックを再利用したい場合は、API化を進めるなどしてより汎用的に作成されるようになったのです。

これは再利用という目的とともに、開発コストを大幅に下げる要因にもなっています。

APIとしての公開

このようなWebの発展の一方で、自社APIを外部に公開することの是非が問われていました。

ポータルが崩壊した現在、Web APIの公開は必至(ITPro)
URL:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Interview/20101029/353620/
全て読むには会員登録が必要です。

上記のサイトで紹介されていますが、マッシュアップアワードのリーディングカンパニーであるリクルートでも同様の議論があったようです。詳細は当該ページを読んでいただきたいのですが、より多くの人の目に触れるためにAPIを公開し、よいアプリケーションが作られるということが結果的にはプラスだったようです。

このように、アプリを作る側、APIを提供する側がよい関係であることがマッシュアップの成功の秘訣であるようです。

さらなる発展

HTML5により、マルチメディアの扱いやローカルDB、ソケット通信といった今までブラウザでできなかったことができるようになりました。また、ブラウザ戦争によるブラウザエンジンの急成長も現在進行中です。さらにはChromeOSといったWebサービスに特化したOSも開発されており、こうなるともうブラウザって何?という感じです。

では開発してみよう!

開発の敷居が低くなると重要なのがアイデアです。いかにおもしろく、便利なアプリケーションが作れるか、がポイントになります。

次回以降はアイデア出しから実際のアプリケーション開発へと進めていきます。よろしくお願いします!

おすすめ記事

記事・ニュース一覧