約1年にわたって連載をしてきましたが、今回でこの連載は最終回となります。サービスの基本となるデータベースからマッシュアップ開発、モバイル開発といった幅広いテーマで書かせていただきました。
振り返って思うのは、インターネット技術の整備から、ソーシャルサイトの台頭、かつてはエンジニアにとって特権であった技術が広く多くの人にとって身近で当たり前の時代になったという感が強いです。
最後ですので、エンジニアとしての生き方について雑感を書きたいと思います。
情報の洪水の中で
今日もまた新たな技術が生まれ、規格が生まれ、エンジニアたちはその中でもがきあがいて、どうするのがベストな解なのかという煩悶を繰り返しています。
これで正解というものはないと感じます。実際ないのでしょう。
しかし、情報の洪水に飲み込まれるような焦りと、その流れをかいくぐって何かを作り上げるという喜びは何事にも代え難い興奮があります。
ハッカソンや勉強会に参加すると、こういうものを作ったんですよ!と熱を帯びて話をする人がたくさんいます。そしてそういう人たちの話を聞くことは非常に楽しく感じます。ものを作り上げた人の言葉ほど説得力のあるものはありません。それは技術やサービスに真摯に向かい合っているからでしょう。
反面、業務にたたき込まれてストレスにさらされている人も多くいます。そんな人も立ち止まって振り返ってほしい。かつて知った技術やサービスに感動したことがあるはずです。
未来に生きる
Amazonや楽天といったショッピングサイトがコンシューマビジネスに革命をもたらし、YouTubeやブログがマスメディアに影響を及ぼす── 少し前では想像もつかないことが起きています。そして我々はその世界に足を踏み入れています。ほんの少し未来を生きているのかもしれません。
しかしながら、ITは万能ではありません。このことも胸に刻んでおくべきでしょう。
エンジニアとしての誇り
少ない投資で最大の効果を期待できる数少ない仕事だと思います。世界中の人に喜びを与えることができる仕事です。エンジニアの皆さんにはぜひとも自分の仕事はすばらしいものだ、という誇りを持っていただきたいと思います。
そして創造することは、自身の人生をも豊かにしてくれると信じています。
1年間ご拝読ありがとうございました。