明日から新年度です!
いよいよ2010年度がはじまります。この春からの新入社員や新入学生の方の中には、これから学校/職場でLinuxを使い始めるという方も多いでしょう。Ubuntuは使いやすいデスクトップOSですが、やはりWindowsとは流儀が違うため、初心者の方はどのように環境を構築してよいか戸惑いがちです。
そこで今回は、職場や学校に必須のソフトウェア……そう、Ubuntuで遊べるゲームを紹介します!
なお、UbuntuにはDebian由来の数多くのパッケージが用意されているため、ほとんどのソフトウェアは「Ubuntuソフトウェアセンター」からインストールすることが可能になっています。
Secret Maryo Chronicles
「Secret Maryo Chronicles」は、主人公が走ったり跳ねたりキノコを食べたりしながらゴールを目指す、2D横スクロールのアクションゲームです[1]。
インストールするためには、ソフトウェアセンターから"ゲーム" => "Secret Maryo Chronicles"を選択してください。またapt-getコマンドでインストールする場合、パッケージ名は「smc」を指定してください。さらにBGMを鳴らしたい場合は「smc-music」パッケージも追加でインストールする必要があります。
デフォルトではキーボードでMaryoを操作することになりますが、やはりアクションゲームは専用のゲームパッドで遊びたいものですね。SMCではUbuntuが認識するゲームパッドであれば、特に設定することなく使用することが可能です。タイトル画面から"Options" => "Controls"と辿ることで、キーアサインの変更もできるため、使いやすいボタン配置に変更するとよいでしょう。筆者はPlayStation用ゲームパッドをUSBに変換するアダプタを経由して、PlayStatin2のゲームパッドを使用してみましたが、問題なく動作することが確認できました。
NEXUIZ
NEXUIZはQuakeエンジンを使用した対戦型FPS(一人称視点シューティング)ゲームです。インターネットを経由して最大32人での対戦を楽しむことが可能になっています。
インストールはやはりソフトウェアセンターから"ゲーム" => "Nexuiz"を選択してください。apt-getからインストールする際のパッケージ名も「nexuiz」です。なお3Dゲームの常ですが、プレイするにはそれなりの3Dアクセラレーションが可能なグラフィックカードを搭載している必要がありますのでご注意ください。
インターネットで見知らぬライバルと対戦するのもよいのですが、LANの中で仲間と遊ぶことも可能です[2]。ゲームを起動したら、サーバ役になるプレイヤーは"Multiplayer" => "Create"を選択してゲームルールの設定を行った後、"Start Multiplayer!"を実行してください。ゲームに参加するプレイヤーは"Multiplayer" => "Servers"を選択し、画面下部の"Address"欄に「サーバマシンのIPアドレス:26000」という書式でIPアドレスとポートを記入します[3]。IPアドレスとポートが正しく入力されていれば、"Join!"をクリックすることでゲームに参加することができます。
なお、ソフトウェアセンターからインストール可能な対戦型FPSとしては、他に"Alien-Arena"や"Warsow"などがあります。FPSが好きならば一度試してみるのもよいでしょう。
NetHack
NetHackは伝統的なローグ[4]の流れを汲む、ダンジョン探索型ロールプレイングゲームです。ローグは少し年季の入ったUnixユーザなら一度はハマったことがあるのではないでしょうか。
NetHackをインストールするにはソフトウェアセンターから"ゲーム" => "X NetHack"を選択してください。
端末から「nethack」コマンドを実行することで昔ながらのASCIIテキストで描画されたNetHackが遊べる他、メニューの"アプリケーション" => "ゲーム" => "X NetHack"を起動すれば、X11上でグラフィカルなNetHackを遊ぶこともできます。
「ローグといえばテキスト! GUIなんて邪道!」というハードコアな方は、「nethack-console」パッケージをインストールするとよいでしょう。なおnethack-consoleパッケージはソフトウェアセンターからインストールすることができませんので、apt-getコマンドを使用してインストールを行う必要があります。
プレイしてみるとわかりますが、NetHackはメッセージが全て英語ですので、日本人には少し遊びづらいかもしれません。そこでJNetHack ProjectによってNetHackの日本語化が行われています。UbuntuにはJNetHackのパッケージはありませんが、ソースからビルドすることでNetHackを日本語で遊ぶことが可能です。
まず、NetHackのダウンロードページからnethack-343-src.tgzと、JNetHackのプロジェクトページから日本語化パッチを入手、アーカイブを展開してパッチを当てます。
以下のようにしてLinux用のMakefileを作成します。
ここでjapanese/Install.lnxの指示に従って、ソースに修正を入れてください。また、/usr/local以下にインストールするため、MakefileのPREFIXを変更します。
ビルドに必要なツール一式をインストールし、makeを行います。インストール後にはログファイルやロックファイルに書き込みができるよう、パーミッションの変更を行います。なお、下記の例ではオーナーグループ(デフォルトではgames)に書き込み権限を与えているため、プレイするユーザがgamesグループに所属している必要があります。Ubuntuのインストール時に作成されたユーザはgamesグループに所属していないため、usermodコマンドなどでユーザの所属グループを修正してください。
インストールが完了したら、端末より/usr/local/games/jnethackを実行してください。なおjnethackの日本語パッチはEUC-JPで記述されているため、遊ぶ際には端末の文字コードをEUC-JPに変更しておきましょう。UbuntuデフォルトのUTF-8のままですと、文字化けを起こしてしまいます。
Numpty Phisics
Numpty Phisicsは物理演算エンジンを使用した、手書き風味の少し変わったパズルゲームです。
Numpty PhisicsはUbuntuのリポジトリには含まれていませんが、WebページにUbuntu用のバイナリパッケージが用意されています[5]。パッケージをダウンロードしてダブルクリックするか、またはdpkgコマンドを使ってインストールを行ってください。
ゲームを起動すると子供がクレヨンで描いたような絵が表示され、ぱっと見ただけではどんなゲームなのかよくわからないかもしれません。
この「紙のキャンバス」はマウスドラッグで絵を描くことができます。マウスによって描かれた物体は物理法則に従って落下したり、跳ね返ったり、転がったりします。よく見ると紙の上に丸と星が描かれていますが、この丸に物体をぶつけて移動させ、ゴールである星にたどり着かせるのがゲームの目的です。また多くの場合、単に丸を転がすだけではゴールに到達できないので、動きを先読みして橋をかけておくなどの戦略が要求されたりします。
そのほかにも、ソフトウェアセンターのゲームカテゴリには460種以上のパッケージが登録されています。インストール・アンインストールはソフトウェアセンターから気軽に行えるので、お気に入りのゲームを探してみましょう。