Ubuntu Weekly Recipe

第894回デスクトップ環境の2025-2026年

新しい年の始めに、Ubuntuで使用できるさまざまなデスクトップ環境について2025年に起こったことと2026年に起こりそうなことを紹介します。

ご挨拶

2026年も無事に迎えることができました。

連載回数を見ていただくと、今回は894回ということで、ほどなく900回を迎えます。あんなに遠いと思っていた1000回も、現実的になってきました。

流れる月日にただただ唖然とするだけですが、これまでどおり回を重ねていきたいと思っております。

本年もよろしくお願いいたします。

デスクトップLinux元年!?

昨年はWindows 10のサポート終了ということで、Windows 11にアップグレードできないPCが多数出た年でした。END OF 10というキャンペーンサイトができていたりもします。

本連載では毎年年の初めにデスクトップ環境について取り上げていますが昨年の回⁠、今回、Software Design編集部から声をかけていただき、Software Design 2026年1月号始めるなら今!?最新情報と活用のポイント デスクトップLinux元年 in 2026という記事を寄稿しました。

この記事では細かい内容を飛ばしていますが、Software Designに掲載した記事ではデスクトップ環境の選び方なども含まれているので、あわせてご一読いただくと理解が深まるものと期待します。

またはじめてのUbuntuの読者プレゼントもあります。

GNOME

GNOMEは1年に2回リリースされており、昨年は48と49がリリースされました。

第882回で紹介したUbuntu 25.10のGNOME 49で、ついにWaylandセッションのみとなり、Xセッションが選択できなくなりました。あとはもう淡々と、Wayland対応が進んでいくのでしょう。ほかにも、GTK4に対応しないアプリケーションの置き換えが進んでいます。

今年も同じく2回のリリースがあり、バージョンは50と51になる予定です。プロダクトの開発は順調ですが、GNOME Foundationの資金難は継続しており、スタッフが解雇されたとのことです。

またGNOME Asia Summit 2025が行われたことも記憶に新しいです。

KDE

KDEコミュニティは現在KDE Plasma(デスクトップシェル⁠⁠、Frameworks(ライブラリ⁠⁠、Gear(アプリケーション集)としてリリースされています。

昨年11月に、Plasma 6.8からWaylandセッションのみにするという発表がありました。Plasma 6.8は10月にリリースされるものと思われるので、Kubuntu 26.04 LTS、26.10ではXセッションはまだ有効であると推測されます。

GNOMEより約1年遅れとなりますが、KDEコミュニティの30周年の節目にXセッションが使用できなくなるのはなかなかに興味深いです[1]

また、Kubuntu的にはあまりインパクトのある話題ではありませんが、PlasmaのLTSリリースを廃止するという旨の発表が、昨年5月にありました。

Xfce

Xfceは、昨年の新リリースはありませんでした。4.20が最新版です。

Xfce Wayland Development Roadmapによると、4.22でWaylandサポートを計画しているようです。

今年中にリリースされるかどうかはわかりませんが(個人的には厳しいと考えています⁠⁠、改めてWaylandサポートの大変さを知る機会となります。

LXQt

LXQtは、昨年は2.22.3のリリースがありました。おそらく今年も、2バージョンがリリースされるものと思われます。

昨年9月に、The Two Ways of Waylandという興味深いブログのエントリーが公開されています。要約するとWayladの対応方法は2種類あり、1つは自前のウィンドウマネージャーをWaylandに対応させることで、もう1つは既存のWaylandコンポジター(ウィンドウマネージャー)を採用することで、LXQtは後者の方法を採用する、というものです。現に7種類のWaylandコンポジターが紹介されています。

これを受け、Lubuntu 26.04 LTSではlabwcを採用してWaylandセッションを実現する予定ということが25.10のリリースノートで述べられています。同時に、開発力の増強が必要であることを訴えています。

MATE

MATEは、昨年は新リリースはありませんでした。それぞれのコンポーネントをマイナーアップデートしながら開発を進めています。

UbuntuのMATEサポートは昨年と変わらず、最新版の1.28ではなく1.26で据え置かれたままとなっています。このままだとフレーバーとしてのリリースも危うい状況です。大きな不具合がない限りはそのままリリースされるものと思われますが、来年からはこの企画があったとしても取り上げないかもしれません。

フレーバーとしては開発が進んでいなくても、MATEの各種アプリはGTK3に留まるフレーバーにとっては有用なもので、今後は、というか今後もそのような使われ方をするのでしょう。

Cinnamon

Cinnamonは、昨年12月に6.6.0がリリースされています。

Cinnamon 6.6ではインプットメソッドサポートが強化されており、GNOMEやKDE Plasmaのように「システムの設定⁠⁠-⁠キーボード⁠⁠-⁠レイアウト」からキーボードレイアウトと変換エンジン(Mozc)の管理ができるようになっています図1⁠。

図1 Linux Mint 22.3開発版のCinnamon 6.6の「レイアウト」

また、制限はあるものの、Waylandセッション(Experimental)でも日本語の入力ができるようになっています。Ubuntu Cinnamon 26.04 LTSのCinnamonのバージョンがいくつになるかは不明ですが、6.6になることを強く期待したくなります。

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