前回はmpmの設定方法を説明してきました。引き続き、httpd.confを記述していきましょう。今回は、DocumentRootの設定方法中心に説明をしていきたいと思います。
DocumentRootとは
まずはDocumentRootについて再度確認をしておきましょう。
DocumentRootとはWeb上に公開することのできるディレクトリのルートのことです。
設定方法としては、見せたいディレクトリのパスを指定をします。すると、そのディレクトリ配下のファイルへすべてアクセスができるようになります。
たとえば、DocumentRoot直下にfoo.htmlというファイルを配置をします。するとhttp://servername/foo.htmlというURLで対象のファイルにアクセスをすることができます。
DocumentRootの設定を見る
それではサンプルのhttpd.confを例にとって説明をしていきます。
56行目から58行目までの設定を見てみましょう。
さて、この中でDocumentRootと記載してある部分がありますね。上記の例では/usr/local/apache2/htdocsと指定してあります。実際にこの部分を変更して、そのページが見えるか、確認してみましょう。
DocumentRootを変更する
下記のとおりにhttpd.confを変更してください。事前にバックアップを取っておくことを忘れずに。
次は新しいDocumentRootを作成し、ファイルを配置しましょう。
上記設定後、http://servername/check.htmlというURLでアクセスしてください。HelloWorldと表示されれば成功です。
現在は、/usr/local/apache2/htdocs2がDocmentRootとして設定されています。こちらのディレクトリの下にファイルを設置することによって公開することができます。
ただし、このディレクトリよりも下の階層に置かれるファイルはそのままだとすべて公開されてしまいます。思いがけない情報漏えいを招くためにも、ユーザに見せる必要があるファイルのみを設置するように気をつけるようにしましょう。
Listen Portの設定
さて、次はListen Portの説明をしていきます。あまり変更することはない部分ではありますが、DocumentRootに関わる部分なので把握しておきましょう。
先ほどの設定をもう一度見てみましょう。Listenという記述があった行です。
これはDocumentRootへアクセスためのPortを指定する行です。Port80番は"WELL KNOWN PORT"として管理されているPortです。こちらはhttpが標準で使用しますので、Apacheでは標準で上記の内容が設定されるようになっています。
それではPortの設定を変更してみましょう。
Listen Portを変更する
それではPortを変更してみます。変更する前に現在のステータスをnetstatで確認してみましょう。
Port80番がListenされていますね。それではPortを80番から8080番へ変更してみます。
設定が終わったらApacheをgracefulして、netstatでステータスを確認してみます。
Port8080番がListenされたことが確認できたと思います。
http://servername:8080/check.htmlでアクセスできればPortの変更は成功です。
ただし、異なるアプリケーションで同一のPortを使用することはできません。下記のエラーメッセージが表示される場合は、他のアプリケーションで使用しているPortとぶつかっている可能性があるので、注意してください。
最後に
今回は主にDocumentRootの設定を中心に紹介してきました。くどいようですが、DocumentRootの設定は慎重にしてください。DocumentRootに置いた秘密情報が漏洩するといったことは常にありえます。“ユーザに見せてはいけないものをリストアップする(ブラックリスト方式)”という考え方では必ず漏れがでてしまいます。トラブルを回避するためにも、“ユーザに見せるべきコンテンツをリストアップする(ホワイトリスト方式)”方法の採用を検討しましょう。
長年にわたって動き続けているWebサーバがあれば、これを機会に一度見直してみてはいかがでしょうか?
思いもよらぬ情報がDocumentRootの下に隠れているかもしれません…。