今回は、mod_cacheを利用したApacheのパフォーマンスチューニングについて解説します。
mod_cache
Webサーバをチューニングしていると確実にやらなければならないのがパフォーマンスチューニングです。当然、同じWebサーバといえど用途はさまざまですね。たとえば、静的なコンテンツのみを配信しているような場合ですと、プロセス数やスレッド数のチューニングになることでしょう。
しかしその他、動的にコンテンツを返しているような場合もあると思います。そのようなときは、キャッシュをさせることで大幅なパフォーマンス向上をはかることができるのです。
Apache2では、標準でキャッシュさせることのできるモジュールが同梱されています。今回はapacheをつかって簡単にキャッシュをすることのできる、mod_cacheを紹介していきたいと思います。
モジュールを組み込む
それではApacheのモジュールを見てみましょう。mod_cacheはデフォルトでは組み込まれませんので再度ソースからコンパイルする必要があります。なお、mod_cacheはキャッシュを保存するストレージを選択することができます。メモリに保存する方法とDiskに保存する方法です。
今回は上記の両方のモジュールも一緒に組み込んでいきます。下記のコマンドを実行してください。なお、${APACHE_SRC_DIR}はapacheをコンパイルするときに利用したソースのディレクトリを指しています。
正常にモジュールのコンパイルが完了したら、modulesの下に作られたかどうかを確認してみましょう。
上記の3つのファイルができていれば成功です。
cacheのモジュールを利用する
それでは正常にモジュールがコンパイルできていることが確認できたら、早速VirtualHostに設定をしてみましょう。
httpd.confのVirtualHostの設定を以下のように記述してください。
さて、上記のとおりhttpd.confを記述できたらキャッシュ用のディレクトリを用意しておきましょう。上記の例では、“/usr/local/apache2/cache”をキャッシュ用のディレクトリとして使用しています。また、そのディレクトリはApacheからWrite可能なパーミッションにしておく必要があります。
さて、上記の作業が完了したら、ブラウザからドキュメントルートに置いてあるページへアクセスしてください。無事設置したページが確認できたら、今度はキャッシュが生成されたかを確認してみましょう。先ほど作成したキャッシュ用のディレクトリにfindをかけてみます。
上記のように、ディレクトリとファイルがそれぞれ生成されていればキャッシュがされたことになります。拡張子が.dataとなっているファイルの中はキャッシュされたファイルの中身が直接記載されていますので確認してみてください。
いろいろな用途に使えるCache
Cacheといえば大規模サイトを構築する際には現在においてはほぼ必要不可欠なものとなりました。Cacheを導入することで、劇的に負荷を減らすことができた…という状況も決して珍しくはありません。本格的なCacheサーバを構築する場合であれば、Squidなどを使うのがよいと思います。
しかし、既存でインストールされているapacheを有効活用して手軽にCacheされるといった方法をとる場合もあるでしょう。そのような手軽に利用する際にも、mod_cacheは有効に使うことができるのではないでしょうか。
さて次回は、mod_cacheをProxyサーバとして利用するケースを紹介していきたいと思います。