数回連続した情報通信白書ネタは今回で最後です。
第4章「情報通信の現況」の第5節が「コンテンツ市場の動向」となっています。日本におけるコンテンツ産業は通信そのものには直接は関係ありませんが、個人的に興味があるので、ネタとして紹介します。
通信系コンテンツの市場動向
通信系コンテンツ市場の内訳を見ると、その半分がテキスト系コンテンツとなっています。さらに、その内訳で最も多いのがネットオリジナルコンテンツです。この記事も、おそらくネットオリジナルのテキストコンテンツとして分類されるものだろうと思います。
一方で、映像におけるネットオリジナルコンテンツの割合は高くありません。現時点では、最も大きいネットコンテンツの形態がテキストであり、音楽や映像はネットオリジナルの占める割合が少ないことを示す資料といえそうです。
さらに、平成16年と平成20年のデータを比べる事で、各コンテンツがどのように伸びたかを示した図もあります。
これを見る限り、ゲームは市場規模が大きくなるのと同時に通信系ソフトの割合が上昇していますが、その他のコンテンツは市場規模が変わらずに通信系ソフトの割合が上昇しています。
特に顕著なのがビデオと音楽のようです。
平成21年のモバイルコンテンツ産業の市場規模は対前年比12.4%増の1兆5,206億円
日本におけるオンラインコンテンツ市場では、モバイルコンテンツが伸び続けているのが良くわかります。
特に、モバイルコマース市場の伸びが大きいです。
デジタルデータ購入者
日本におけるデジタルデータ購入経験者の割合は、全体の約1/4となっているようです。パソコンと携帯電話を分けた場合の割合と、最も多かった購入金額は以下のようになっています。
インターネット利用者のうちデジタルコンテンツ購入経験がある人の割合は、パソコンでは13.7%、携帯電話では23.5%であり、購入金額は両方とも「2,001円から5,000円」が最も多い
平成20年末と平成21年末を比べると、パソコンからの購入では全体的に微増している反面、携帯電話からの購入では全体的に微減しています(図は縦軸の粒度が違うのでご注意ください)。
平成22年はソーシャルアプリ(ソーシャルゲーム)が流行っており、多くのユーザが携帯電話経由でデジタルデータに対してお金を払っているので、この数値が大きくなるのではないかと予想しています。
最後に
ここ数回は、インターネットに関する統計情報や各種ホワイトペーパーを紹介してきました。
この他にもさまざまな組織や団体がホワイトペーパーを発行しており、それらをいろいろと読む事で、「インターネット上で何が起きているのか?」に関しての概要を推測できるのではないかと思います。
次回からは、方向性を変えて、もう少し技術的な話題として、IPv4アドレス枯渇とIPv6の話題を書いていく予定です。2011年の中旬には世界のIPv4アドレスが枯渇すると推測されています。それに関連して、今後インターネットは大きく変わっていくものと思われますが、IPv4アドレス枯渇の背景やIPv6に関して紹介していきます。