多くの製品やサービスが、秋には登場するだろうAndroid 13を待っているのか、今週は大きな動きがないので、Androidにまつわる小ネタをピックアップしていきます。
AndroidにDNS over HTTP/3がサポート
7月19日、GoogleはAndroidで
Google Online Security Blog: DNS-over-HTTP/
暗号化されていないDNSクエリを、非公開に保つために暗号化をするわけですが、すでにAndroid 9.
DoH3に切り替える理由は、DoTと比較してパフォーマンスの向上が期待できるためです。
たとえば、DoTは要求と応答がセットになって動作するので、なんらかの理由で要求の処理に時間がかかってしまうと、後続が処理されずブロックされてしまいます。また、モバイルデバイスのように移動のたびに接続ネットワークが切り替わる環境では、その都度、接続処理をする必要があります。他、DoTでは、TCPの接続管理の影響で接続寿命が短くなる傾向があり、信頼性の低いネットワークではDoH3のほうが有利になる可能があります。
パフォーマンス以外では、使われるポート番号の違いで運用などに影響をおよぼします。ポート番号は、DoTは853でDoH3は443が使われます。
DoTは専用のポート番号が使われるので、要求と応答が暗号化されているとは言えトラフィックを確認できます。DoH3は、HTTPSでも使われる443が使われます。他のHTTPSのトラフィックに紛れ込むのでカモフラージュできて、ユーザのプライバシーが守られることになります。しかし、悪意のあるトラフィックはブロックしづらくなるという悪い面もあります。
Android 13 beta 4がリリース、正式版は間近。
7月12日に、Android 13 beta 4がリリースされました。
公式ブログのタイトルにも
Android Developers Blog: Final Android 13 Beta update, official release is next!
ここ数年は、次期Android OSのリリースは秋口になるのが恒例です。
たとえば、1つ前のAndroid 12は、コロナ禍の影響が少しあったのか2021年10月4日にリリースが発表されました。もう少し振り返ると、Android 11は2020年9月8日、Android 10は9月3日のリリースで、9月に集中しています。
公式ブログが次は正式版と煽るほどなので、8月中にリリースされる可能性もあります。
日本語関連の機能も強化
近くリリースされるAndroid 13では、日本語関連のサポートが強化されます。
Android Developers Japan Blog: Android 13 の日本語関連機能
たとえば、TextViewを使う日本語の文章の表示で、文節を保ったまま画面端で折り返しをします。こうなることで、これまで読みづらい場所で折り返されていた文章が読みやすくなります。
Androidの開発は欧米主導なので、日本語のような話者が少ない言語のサポートは後回しになるか、行われないのが通例です。しかし、今回の強化は日本チームが頑張った成果なのか楽しみです。
もう1つ、アプリ側から未確定の変換候補が取得可能になります。
これは、Android 13かつGBoardを使っていることが前提となります。文字入力の間に、かな漢字変換プログラムが入る日本語では、英語環境のように入力文字に対応するインクリメンタルサーチをアプリで実装するのが難しかったのですが、これで似たような動きを実装できるようになります。
どちらの機能強化も派手さはありませんが、普段使いする時は間違いなく効いてくる内容になるので、気持ちよく使えるOSとしての下支えになるはずです。
今週は、このあたりで、また来週。