本連載は、イラストレーターイシクラがITパスポートの取得を目指して、独学で勉強する様子を紹介するものです。第4回目は表計算ソフトの中の機能、関数について説明します。
表計算ソフトも試験範囲に含まれる!?
勉強を進めている中で、ふと「どんな内容が試験範囲に含まれているのかなあ」と気になって、「キタミ式イラストIT塾 ITパスポート」全体をパラパラと読んでいたんですよ。そして「こんなことも試験範囲なの!?」と驚いたことがあります。それは「表計算ソフト」。
表計算ソフトはその言葉の通り、さまざまな計算を行なってくれるソフトです。縦横に区切られたマス目状になっているシートに、数値や文字を入力して計算をし、表などを作っていくものです。
表計算ソフトと言われていまいちピンとこない方も、Excelがそれにあたるといえば、なんとなく想像できるのではないでしょうか。この表計算ソフトがひとつの章になっているんです。
他の章は「ネットワーク」や「セキュリティ」など大まかな範囲で章分けされていて、その章の中で細い内容を見ていくんです。私のイメージ的に、「表計算ソフト」は章のひとつではなく、章の中にある項目だと思っていたんですよ。
なので、「表計算ソフト」だけで章として扱われているのは予想外というか、すごくピンポイントだなあと驚きました。ソフトって色々とあるはずなのに、「表計算ソフト」に絞って出題されるのはなんだか不思議です。それだけ重要なソフトってことなんでしょうね。
ITパスポート試験は、ITの技術に関する知識が問われるものだと思っていたのですが、実務的なソフトの操作の知識も出題されるんですね。これも意外でした。
そういえば大学時代に、Excelの使い方を学ぶ講義をとっていたなあ、なんてことを思い出して、懐かしくなりました。当時は、ITパスポートを取るつもりなんてまったくなかったので、そこまで真剣に取り組んでいなかったんですよね……
いや!あれですよ!?ちゃんと真面目には受けていたけど、使いこなせるまでの熱量がなかったというかね!?もう少し真剣に取り組んでもよかったのかもなあ、なんてことも思ったりしました。でも、こうやって改めて学べるのは嬉しいです。
まさか数年後、ITパスポートを受けるために表計算の勉強をしているなんて、当時の私は想像すらしていなかったでしょう。そんな当時のことを思い出しつつ、今回は表計算ソフト、特に関数について書いていこうと思います。
関数は自動で計算してくれるスグレもの
みなさんは「関数」と聞いて何を思い浮かべますか?私の場合は、「数学」でした。一時関数とか、二次関数とかありますし。表計算ソフトにおける「関数」も数学と一応関係ある話なので、当たらずといえども遠からず……なのかな?
では、表計算ソフトの中で使われる関数とは一体どんなものなのか。簡単にいうと、「あらかじめ決められた計算を行なってくれる数式」です。指定した範囲の平均値や最大値を求めたいときに、毎回同じ式を使って計算するのは大変ですよね?同じことを繰り返すならいっそ、関数としてその数式をあらかじめまとめておこう!といった感じです。試しに例を見てみましょう。
6個ほどの数字の合計を求めたいと思います。数字はそれぞれ「3」「99」「2」「54」「62」「20」としてみましょう。この時、関数を使わない場合だと、「3+99+2+……」とひとつずつ手で数字を入力していかなければなりません。今は6個だけなのでどうにか手入力でも計算できますが、合計したい数字の量が増えたり、数字の桁数がとんでもなく大きかったりすると、さすがに手入力は厳しくなってきそうです。きっと入力ミスもでてくるでしょうし。
では、関数を使ってみた場合はどうなるのか。関数を使う場合、合計したい数字を選択して合計関数を使えば、あっという間に合計を求めることができます。数字を入力するのではなく、選択するだけでいいのです。
どれだけ合計したい数が多くても、数字ひとつひとつの桁数が大きくても、合計したい範囲を選択するだけでいいのでとっても楽なんですよね。合計する数字を新たに追加する場合も、その数字を選択すればいいだけなので、手間もかかりません。合計する数字が「3」じゃなくて「5」だった!というときも、指定範囲を同じにしていれば、変更したい部分の数字を変えるだけで計算結果もちゃんと反映されます。
関数は他にも、指定範囲の平均を求めてくれる「平均関数」や、指定範囲の中で一番大きい数字を求めてくれる「最大関数」など、様々な関数があります。
平均を求めるとき、合計を出した後に足した回数で割りますよね。4回足したから4で割るところを5で割っちゃった!なんてミスをしたことがある人も多いのではないのでしょうか。平均関数を使えば、こんな凡ミスも防げるわけです。
そして、このように何か計算をして表を作成していると、なにかしら条件を持たせたくなることも出てくる場合があります。例えば「クラス内で欠席日数が0日の生徒は皆勤賞を、それ以外の生徒にはなにも与えない」みたいな。こんな時に使う関数を「IF関数」と言います。
「〇〇という条件があって、その条件を満たす場合はこうする、満たさない場合はこうする」と指定ができるんですね。
さらにこのIF関数、IF関数の中にIF関数を書くことができるのです。ちょっと想像しにくいですよね。なので、先ほどあげた例でもう少し詳しく見てみましょう。
先ほどの例では「条件」に当たる部分が「欠席日数が0日」となり、「条件を満たす場合」には「皆勤賞を与える」、「条件を満たさない場合」には「なにも与えない」となります。
では、「条件を満たさない場合」にさらに条件を付け足してみるとします。条件を満たさない場合というのはつまり、「欠席日数が0日ではない」ということになります。ここに「欠席日数が10日以内」という条件を足してみます。そして、「条件を満たす(=欠席日数が0日ではないけど、10日以内)場合」は「準皆勤賞」を与えて「条件を満たさない(=欠席日数が10日より多い)場合」は「なにも与えない」とする。
こうすることで、「欠席日数が0日の場合」という条件、さらにその条件を満たさなかった場合のみ「欠席日数が10日以内の場合」という条件を付け加えていることになります。
「欠席日数0日」という条件があって、その条件を満たした場合は「皆勤賞」で、満たさない場合は、さらに細かい条件に当てはまるかチェックしますよ~ってことです。
表計算ソフトって、単に合計や平均を出すくらいのことしかできないと思ってたんですけど、こんな複雑なこともできるんですね。あなどってました。
楽しい妄想もあっけなく
この章を学び終わって、いや~関数を楽々使いこなせることができたらすごいかっこいいだろうなあ~一緒に働いてる人から頼られて人気者になっちゃうのかなあ~なんて妄想を膨らませてにやにやしてたわけですよ。しかし、一般的な会社のように同僚の数が多くはないので、人気者になっちゃった~とはなりにくいんですよね……
とはいえ、表計算ソフトを使いこなせて損はないわけですし!きっとこれから仕事で計算する機会もたくさん出てくるでしょうし!試験のための勉強で終わらせるのではなく、今学んでいる知識を活かす場面を見つけたら、すかさず役立てていこうと思います。
今日学んだこと