明後日のコンピューティングを知ろう ~Internet Forecast Report

第2回5Gの見える

今回は、昨今普及が進み始めた5Gの「いま」「これから」を解説していきます。日本国内において、携帯電話各社による5Gインフラの増強が日々進んでいます。東京都内においては、5Gの電波を受信する頻度も増してきています図1⁠。

図1 5G(Sub6)の電波を受信したエリア
図1

現在の 5G は、NSA(non-standalone)と呼ばれ、すでに普及している4G環境をうまく組み合わせることで成り立っています。5Gの電波が入らない環境では4Gに切り替わり、5Gの電波が入る場所では高速な通信が可能となります。

私たちが日常的に使っているスマートフォンでは4G/5Gの区別なく快適なインターネット接続をどこでも享受できます。インターネットの接続性という意味では、東京都から佐賀県まで連続的に移動したとしても切れ間なくデータ通信が可能になっています図2⁠。

図2 東京都から佐賀県までスマートフォンの4G/5Gインターネット接続に切れ間なし
図2

5Gでは高速通信を実現させるため、5G NRmmWaveと呼ばれる28GHzのミリ波や5G NRSub6と呼ばれる3.5GHz以上の周波数帯の電波が用いられます。最新のスマートフォンやWi-Fiルータでは、これら新しい電波を受信するしくみが備わっており、4Gと5Gを切れ間なく利用できます。しかし、データ通信において常に低遅延かといえば、まだ過渡期にあると筆者は感じています図3⁠。

図3 4G/5G基地局が混在する空間における移動と遅延量
図3

5Gの28GHzミリ波やSub6におけるデータ転送性能としては、過去に類をみない高速化が図られています図4⁠。

図4 5Gデータ転送性能と遅延量(詳解)
図4

これら5Gの新しい世界について正しく理解するためには、mmWave(ミリ波⁠⁠、Sub6(3.5GHz以上の周波数帯⁠⁠、n78、n79、n257、FR2(5Gの周波数帯を表す分類)など用語の理解も必要です。スマートフォンアプリケーションには5Gの通信状態を記録するものもあります。興味がありましたら、お試しください。

2020年代前半、5Gの普及が進み、スマートフォンやインターネット、クラウドサービスを取り巻く環境も、大きく変化していくと筆者は期待しています。

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