明後日のコンピューティングを知ろう ~Internet Forecast Report

第7回IT社会の見える

今回は、わたしたちが生活している「IT社会」をひとつなぎのシステムとしてとらえた場合、その中でどのようなコトが起こっているか見える化してみました。一般的にプログラミングを実行する場合、入力の結果として出力が起こります。IT社会における普段使いのサービスでは、入力はスマートフォンのタップや音声・ビデオ入力もしくはキーボード入力は主になります。これとは異なる視点で人間をデータ発生源としてとらえると、生体からは多くのシグナルが発せられていることに気づきます。古くは1990年代よりも前から、生体から発せられる呼気や臭気には多くの情報が含まれていることが、各種学会では報告されていました。2020年代となり、それらはバイオマーカーとして、さまざまな生体状態を検出するしくみとして研究開発が続いています図1⁠。

図1 さまざまな手法による生体状態検出とその歴史
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残念ながら、これらの生体情報を基本としたITサービス提供は、一般的になっていませんが、いずれ近い将来、一般的な手法や技術として、昇華されていくと筆者は期待しています(その道のりは容易ではないでしょうが⁠⁠。

ふたたび、わたしたちの「IT社会」をひとつなぎのシステムとしてとらえると「脳のしくみ」⁠記憶」⁠人間性」⁠心理状態」など人間の行動原理に大きく左右され、システム全体が揺らいでいることがわかります図2⁠。

図2 IT社会の見える化とサービス利用のあらまし
図2

心と脳のしくみは、いまだすべてが解明されていませんが、脳内の神経伝達物質の分泌と摂取ならびに人間が本能的に持つ欲求が満たされた状態で、初めて活発なITサービス利用が起こると筆者は考えています。システム環境側からみると、これら人間の生体にかかわる属性データを観測できないため、古くから「推定される心理状態」「ペルソナ」として定義してシステム開発が行われています。遠くない未来、キーボード、マウス、カメラ、マイクに続く新しい入力デバイスが一般化した未来を、筆者は今しばらくリサーチしていきます。

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