8月26日、Googleはアプリ開発者がリッチなマルチデバイス エクスペリエンスを構築できるSDK
これは、今年5月に開催されたGoogle I/
このSDKでは、いくつかのAPIが提供されることになりますが、大きく分けると以下になります。
デバイスの検出
近くのデバイスを検出して、Peer to Peerでの通信を承認して接続先のデバイスでターゲットアプリを起動します。
安全な接続
接続が許可されたデバイス間で、低遅延で暗号化された双方向データ共有を有効にします。
マルチデバイスのセッション
接続されたデバイス間で、アプリのユーザーエクスペリアンスの転送や拡張できるようにします。
Cross device SDK | Cross Device SDK | Android Developers
接続にはBluetooth LEやWi-Fi、UWBなどが使われ、Android 8以降で利用できます。
同じようなことは、アプリ独自で実装できないことはありません。しかし、独自の実装にすると実現したかったことに集中できない場合があります。これをSDKが引き受けてくれることになれば、実現したかった開発とユーザー体験をより良いものにすることに集中できます。
想定されている利用シナリオ
Cross device SDK for Androidを使ったアプリの想定している利用シナリオは以下になります。
シナリオ1
フードデリバリーをグループで注文するときに、グループで同じアプリを起動して各々で注文する。これで、代表者が注文を取りまとめる必要がなくなります。代金支払いまで触れていませんが、Google Payで個人間送金という流れなのかもしれません。
シナリオ2
使うデバイスをスマートフォンからタブレットに替えても、スマートフォンで読んでいたニュース記事を途中から再開する。既にウェブサービスで実現されていることもありますが、Googleニュースで実装されるのであれば歓迎です。
シナリオ3
ドライブの最中に、同乗者がスマートフォンで見つけた目的地を車載器と共有します。運転の妨げずに目的地が設定できるので、安全運転にも貢献しそうな機能なのと、車載器での目的地検索はストレス以外にないので、早く実現してほしい機能です。
シナリオ1のグループでのフードデリバリー注文以外は、今できる方法で実現されているケースもあり、正直なところ目新しさには欠けます。
アプリ開発者から見れば、SDKが面倒な下周りを引き受けてくれるので、これまで以上に体験共有機能やデータ共有機能をアプリが実装することになり、これまでデバイス間の連携で抱えていた不自由を解決してくれるはずです。
ユーザから見れば、ユーザインターフェースが統一されるのがポイントです。
これまでは、アプリごとに独自の設定が必要で、多くの場合はこれが分かり辛いものでした。これがシステム側で実装されれば、同じもので統一されるので、使い方の勉強や設定を一度で済むのは大きなメリットです。
将来はiOSやWindowsでも使える
今回リリースされたSDKは、スマートフォンとタブレットを対象にしています。
将来は、Googleが所有するプラットフォーム
iOSやWindowsへの対応も視野に入れているようです。iOS向けには、Googleが手掛けるアプリがいくつかあるので、これらが順次対応していくことになりそうです。うまく普及すれば、Chromecastのようにあらゆるプラットフォームで使える仕組みになるかもしれません。
今週は、このあたりで、また来週。