Java 19リリース――7つのJEPsを提供、開発者の生産性向上、パフォーマンスや安定性、セキュリティの強化も

2022年9月20日、OracleはJava 19(Oracle JDK 19)リリースした。またオープンソースビルド版のOpenJDK 19もリリースされた

新たに7つのJEPsを提供

Java 19では以下の7つのJEPs(JDK Enhancement Proposals)追加・更新された

言語のアップデートと改善

JEP 405: Record Patterns[Preview]
コードパターンと型パターンをネストすることで、宣言的でありながら、データナビゲーションとデータ処理を複合的な形で書けるようになる。
JEP 427: switch式のパターンマッチ[Third Preview]
パターンマッチングをswitch式に拡張することで、それぞれが特定のアクションを持つ多数のパターンに対して式をテストできるようになる。複雑なデータ指向のクエリを簡潔に表現できる。

ライブラリツール

JEP 424: 外部関数とメモリAPI[Preview]
Javaランタイム外のコードやデータと相互運用できるAPIの導入。外部関数を効率的に呼び出し、外部メモリに安全にアクセスできる。
JEP 426: Vector API[Fourth Incubator]
最適なベクトル命令に確実にコンパイルするベクトル計算を表現するAPIの導入。同等のスカラー計算よりも優れたパフォーマンスを実現する。

移植

JEP 422: Linux/RISC-Vポート
RISC-VのLinuxでもJDKが使えるようになった。

Project Loomのプレビュー/インキュベーターの機能

JEP 425: 仮想スレッド[Preview]
仮想スレッドの導入。軽量であるため、高スループットの同時実行アプリケーションのでの大幅に改善できる。
JEP 428: 構造化された並行性処理[Incubator]
構造化された並行処理のためのAPIの導入。マルチスレッドプログラミングを簡素化できる。異なるスレッドで実行される複数のタスクを1つの作業単位として扱うため、エラー処理とキャンセルが効率化できる。

このほか、(D)TLS署名スキームのAPIの追加、システムプロパティとしてstdout.encodingとstderr.encodingの追加、Unicode 14のサポートなどの改善が行われている。

Java 19はコミュニティの努力の証し

Oracle Java Platform開発担当シニア・バイスプレジデント兼OpenJDK Governing Boardの議長のGeorges Saabは「開発者コミュニティとの継続的なコラボレーションは、Javaにとって不可欠。Oracleは、Javaの管理者として、開発者と企業が革新的なアプリケーションとサービスを作成するのに役立つ最新のツールを提供することに、一貫して取り組んでいる。今回のJava 19の強力な新機能は、グローバルなJavaコミュニティの多大な努力の証しと言える」と、Java 19リリースに向けてメッセージを述べた。

2022年10月17~20日開催のJavaOne 2022でさらに詳しい情報を

なお、10月17日から20日にラスベガスで開催されるJavaOne 2022でも、Java 19の主要機能が紹介される予定。

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