この連載はOSSコンソーシアム データベース部会のメンバーがオープンソースデータベースの毎月の出来事をお伝えしています。
[MySQL]2022年11月の主な出来事
2022年11月のMySQLの製品リリースはありませんでした。クラウド版のMySQLであるMySQL HeatWave Database Serviceでは、OCI上でのサービスレベル合意
- 米国AshburnなどADが3つのリージョン:99.
99%の可用性 - 東京や大阪などADが1つのリージョン:99.
95%の可用性
こちらは高可用性構成を選択した場合のSLAです。高可用性構成ではないスタンドアロン構成の場合は全てのリージョンで99.
OCI上のMySQL HeatWaveの対応シェイプ(スペック)
OCIではVMやベアメタルマシンの構成のことをシェイプと表現します。現在MySQL HeatWave Database ServiceではAMDのCPUベースのE3とE4, IntelのCPUベースのX7とX9が利用可能です。利用可能なシェイプの一覧は、リファレンスマニュアルおよびMySQLのブログに掲載されています。
分析エンジン兼機械学習エンジンのHeatWaveを利用する際には、特定のシェイプでMySQLサーバーのインスタンスを作成する必要があります。当初はE3のシェイプのみが利用可能でしたが、11月からはE4のシェイプが選択できるようになりました。
- MySQL.
HeatWave. VM. Standard. E3 (CPU E3 16コア、メモリ512GB) - MySQL.
HeatWave. VM. Standard (CPU E4 16コア、メモリ512GB) - MySQL.
HeatWave. BM. Standard. E3 (CPU E3 128コア、メモリ2TB) - MySQL.
HeatWave. BM. Standard (CPU E4 128コア、メモリ2TB)
BMはベアメタルマシンで、分析対象データが10TBを超える場合はこちらのシェイプを利用することが推奨されています。同様にHeatWaveノードもE4がベースのMySQL.
[PostgreSQL]2022年11月の主な出来事
PostgreSQL Conference Japan 2022がコロナ禍に負けずに今年もオンサイト
PostgreSQL 15.1、14.6、13.9、12.13、11.18、10.23 がリリース
11月10日、リリースされたばかりでこの連載の前回にお知らせしたPostgreSQL 15を含むサポートされているすべてのバージョンのマイナーバージョンアップがリリースされました。今回のアップデートでは、過去数か月間に報告された 25 を超えるバグが修正されています。詳しくはリリースのお知らせを参照してください。
なお、PostgreSQL 10については今回が最終のリリースになります。
今年もPostgreSQL Conference Japan 2022がオンサイトで開催
11月11日はポッキー&プリッツの日だそうですが、日本PostgreSQLユーザ会
カンファレンスは午前の基調講演と、午後は3つのトラックに分かれて技術発表とチュートリアルが設けられました。その中から皆さんに知って欲しいと思った発表をピックアップします。
国産RDB 劔について
ノーチラス・
プロジェクトの発端は、トランザクション処理のミドルウェアなどをやっているデータベース関係のメンバが集まった勉強会の中で、多数のCPUコア
新たに開発している画期的なTsurugiのデータベースエンジンですが、Tsurugiを呼び出すインタフェースのひとつとしてPostgreSQLが使われます。また、PostgreSQLから実行する以外に、独自のAPI経由での呼び出しや、Key-Valueストア
表面的にはPostgreSQLであるならば、PostgreSQLも機能と性能の両面で大きく向上しつつあるのでPostgreSQLを使えばいいのにという意見があるかもしれません。なぜTsurugiを新たに開発する必要があるのだろうかと。一言でまとめると、PostgreSQLを含む現存するデータベースのエンジンは
Tsurugiの技術面の特徴は、上記の様に多数のCPUコア
主なターゲットはHTAP
プロジェクトではデータベースエンジン自体の開発の他に、適した分野へのアプリケーション開発も進められていて、5つの事例が紹介されました。ちょっと面白いと感じたので詳しめに紹介します。
1つめがオンラインを稼働させながらバッチ処理を高速化するアンデルセン
3つめはLiDAR
4つめは災害対策向けの事例です。オブリークカメラ
最後の5つめとして、国立天文台での天文データへの応用が紹介されました。まずはSpark
さて、
繰り返しになりますが、Project Tsurugiは2023年の2〜3月にTsurugi本体のα版を公開し、このα版を使ったPoCを支援するための商用サポートも開始する準備を進めているとのことです。その後にGA版に向けた改善も続けられ、解説する書籍の準備もされているとのことです。
カンファレンスで発表されたProject Tsurugiのほんの一部だけを紹介してきましたが、プロジェクトは学術研究からデータベースエンジンの実装やアプリケーション開発にまで多岐にわたりますのでその全容をお伝えしきれません。これまでも経過報告会としてプロジェクト成果を説明する機会が設けられていましたので、詳しい情報をお知りになりたい場合は過去の経過報告会の発表資料をご覧いただくのがよいでしょう
pg_ivm: マテリアライズドビューを高速に更新するためのPostgreSQL拡張モジュール
SRA OSSの長田悠吾さんの発表で、日本のエンジニアがPostgreSQLの機能向上に大きく寄与している事例の1つです。
マテリアライズドビューをリアルタイムで高速に更新する機能としてPostgreSQL本体に組み込むことを目標に開発しているのがIVM
2022年12月以降開催予定のセミナーやイベント、ユーザ会の活動
オープンソースカンファレンス 2023 Online
日程 | 〔Online Osaka〕2023年1月28日 〔Online Spring〕2023年3月10日 |
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場所 | オンライン開催 |
内容 | オープンソースカンファレンスは、オープンソースの |
主催 | オープンソースカンファレンス実行委員会 |
OSS-DB Exam Silver 技術解説セミナー
日程 | 2022年12月4日 2023年1月21日 |
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場所 | オンライン開催 |
内容 | OSS-DB Exam Silverの出題範囲からの解説を行うセミナーですが、12月4日の回では運用管理の |
主催 | 特定非営利活動法人LPI-Japan |
脱Oracleを実現!EDBの基本サービスと無料移行診断ツールの使用法をシンプルに解説
日程 | 2022年12月7日 2022年12月20日 |
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場所 | オンライン開催 |
内容 | EDBを全く / あまり知らない方を対象にして、DB移行検討の第一歩目となるEDBの診断ツール Migration Portal の使用法について解説します。両日ともに同じ内容です。 |
主催 | エンタープライズDB株式会社 |
第37回 PostgreSQLアンカンファレンス@オンライン
日程 | 2022年12月20日 |
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場所 | オンライン開催 |
内容 |
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主催 | PostgreSQLアンカンファレンス |
MySQLテクノロジーセミナー スペシャルエディション “Facebook & MySQL”
日程 | 2022年12月2日 |
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場所 | 日本オラクル株式会社 セミナールーム |
内容 | MySQL株式会社のコンサルタントで現在はFacebookのオンライン・ |
主催 | 日本オラクル株式会社 MySQL Global Business Unit |
MySQLサーバーを守るセキュリティの5つのポイント
日程 | 2022年12月8日 |
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場所 | オンライン |
内容 | データはどの企業や組織にとって最も重要な資産の1つです。特にデータベースには機密情報が多く格納させていることもあり、多様な攻撃の標的となり得るため確実な対策が必須となっています。データベースに対する攻撃は外部からとは限らず、組織の内部の者である可能性もおおいにあります。このウェビナーではMySQLが提供するデータベース監査や暗号化、マスキングなどの包括的なデータ保護を主に5つのポイントから解説していきます。 |
主催 | 日本オラクル株式会社 MySQL Global Business Unit |
これが本当のマルチクラウド Oracle の商用版MySQLとHeatWaveをAWS上で利用する。最適なサービスのみを選択する時代へ
日程 | 2022年12月15日 |
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場所 | オンライン |
内容 | AWS上で動作する |
主催 | 日本オラクル株式会社 MySQL Global Business Unit |
MySQL Autopilotが実現するデータベース管理の自動化
日程 | 2022年12月21日 |
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場所 | オンライン |
内容 | MySQL Autopilotが機械学習を活用してデータベースの運用自動化や運用負荷の軽減を実現する機能です。MySQL Autopilotにはデータベースの負荷に応じた最適なスペックの提案やデータロード時の並列度の自動調整、さらにはクエリ実行時の最適化などが含まれます。MySQL HeatWave Lakehouseでのロード対象のデータにする高効率のサンプリングやデータ型の推論を行った上でのテーブル構造のDDLの自動生成もMySQL Autopilotの一環です。このウェビナーではこれらのMySQL Autopilotの機能によるデータベース管理の自動化と運用効率化についてご紹介いたします。 |
主催 | 日本オラクル株式会社 MySQL Global Business Unit |
新春恒例「MySQL 8.0 入門 チューニング基礎編、SQLチューニング編 2023」
日程 | 2023年1月12日 |
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場所 | オンライン |
内容 | 毎年ご好評をいただいている新春恒例のMySQLパフォーマンス・ |
主催 | 日本オラクル株式会社 MySQL Global Business Unit |