Feodoraコミュニティが運営するパッケージビルドシステム「Copr」は、公式のFedoraリポジトリに含まれていないパッケージリポジトリの入手先としてFedoraユーザにひろく使われている。Coprでホストされているプロジェクトの数は2023年3月時点で2万1,767で、これらは6,431名のFedoraユーザ(FASアカウント保持者)によってビルドされたものだ。Copr自体は標準のFedoraパッケージで構築されたフリーソフトウェアによるプラットフォームであり、Fedoraインフラチームと緊密に連携して運用されているため、サードパーティリポジトリとしてはかなり透明性/信頼性が高いビルドシステムといえる。
「Fedora Magazine」ではこのCoprで注目すべき新プロジェクトとして、以下の4つを紹介している。
- Sticky … 付箋タイプのメモアプリ
- WebApp Manager(Webapp-manager) … WebサイトをWebアプリ(デスクトップアプリ)のように表示するアプリ
- Umoria … 「指輪物語」にインスパイアされたシングルプレイのローグライクゲーム
- PyCharm … JetBrainsのPython IDE
このうちPyCharmは「Fedora Linux 20」からCoprでリポジトリが維持されており、その後もすべてのFedoraリリースでサポートが提供されてきた。現在はFedora 36/37/38、Fedora Rawhide、EPEL 7/8/9のPyCharmが提供されている。なおPyCharmはFedoraのインストールにおいてオプトインで選択できるサードパーティリポジトリでもある。
Fedoraの公式リポジトリには比較的新しいパッケージが多く含まれているが、つねに最新というわけではない。公式リポジトリを補完する存在として、さらにFedoraユーザによるFedoraユーザのための便利で使いやすいビルドシステムとして、今後もCoprには多種多様なプロジェクトが集まってくることになる。