TOP500プロジェクトは5月22日(現地時間)、世界のスーパーコンピュータ性能ランキング「TOP 500」の2023年6月版を発表した。1位は前回に引き続き、1.194エクサフロップスを記録した米オークリッジ国立研究所の「Frontier」で、2位には442ペタフロップスで「Red Hat Enterprise Linux 8」搭載の理化学研究所「富岳」がランクインしている。なお、ランキング入りした500システムすべてがLinuxベースのOSを搭載している。
前回(2022年11月)、前々回(2022年)に引き続き1位となったFrontierはHPE製のシステムで、1エクサフロップスを超える唯一のシステム。CPUにはAMDの第3世代64コアEPYCプロセッサ(2GHz)、OSにはハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)専用に設計された「HPE Cray OS」が搭載されており、合計コア数は869万9904となっている。また電力効率も52.592GFops/wと非常に高く、同時に発表された電力効率を競うランキング「Green500」でも第6位となっている。
第2位となった富岳はCPUに富士通設計のARM 64ビットマイクロプロセッサであるA64FX 48C(2GHz)、OSにはRHEL 8.2を搭載しており、442.01ペタフロップスを達成した(コア数は763万848個)。
TOP500の国別ランキングを見ると米国が150、中国が134で、この2ヵ国でリストの5割以上を占める。日本はドイツ(36)に続く第4位(33)で、富岳の次に高いランクの日本のシステムは産業技術総合研究所(産総研)の大規模AIクラウド計算システム「ABCI 2.0」(24位)となっている。