モバイル決済ソリューションを提供する
Androidスマホを決済端末にする 「Tap to Pay on Android」
Tap to Payは、対応するAndroidに専用アプリをインストールするだけで、国際ブランドが展開するカードのタッチ決済で支払いができるというもので、キャッシュレス決済端末を導入することなく、手持ちのAndroidを決済端末として使えるのがメリットです。売上や入金詳細などは、Squareの管理画面で確認できます。
また、運用費用は決済手数料のみで、WiFiなどネットワーク接続に必要な費用はのぞきます。
試用プログラムの参加には、以下の応募条件を満たす事業者であることが必要です。
- Squareアカウントを作成して、審査が終了していること
- Squareの定める利用規約および個人情報保護方針に同意していること
- Squareのベータ参加プログラムに同意していること
- 電子メールで連絡が取れること
- NFCを搭載したAndroid 9以上の端末が用意できること
Squareと取引のある事業者を前提とした参加条件なのと、実施期間中、最初の1週間で最低5回のTap to Payによる取引がないと、試用プログラムへの参加資格が失効する場合があるので、誰でも気軽に参加できるというものではないのは事実です。
タッチ決済って使ってますか?
Tap to Payで使われるクレジットカードのタッチ決済は、筆者が所有するVISAカードでも利用できます。
筆者の行動範囲では、福岡市地下鉄で福岡空港駅から博多駅までの間でタッチ決済で列車へ乗車できることを知っています。当初、これができるのは、VISAタッチのみでしたが、3月の段階で対象ブランドが拡大され運用されています。
クレジットカードによるタッチ決済乗車の実証実験の対象駅・
タッチ決済での運賃支払いが始まってから、何度か福岡に行く機会がありましたが、いまだ試せていません。
この理由は、スマホのSuicaがあるからです。これは、すぐに取り出せる状態で持ち歩いているのでスムーズに乗車ができます。
一方のクレジットカードは財布に入れているので、ひと手間かけて取り出す必要があり移動時の支払い手段として使いづらいからです。
では、別の利用シーン、たとえば、コンビニではQUICPayを使うため、タッチ決済は使ったことがありません。理由は地下鉄と同じです。また、Androidでの支払いであれば、アンロック操作なしに支払いができるのでクレジットカードでの支払いより簡単です。
このように、筆者はタッチ決済を使ったことがないのですが、皆さんはいかがでしょうか。
振込サイクルも重要
Tap to Pay on Androidは、条件をクリアする端末があれば、初期投資が抑えられます。
初期投資が低い決済方法の導入先は、小規模な店舗が多いはずです。
たとえば、筆者が通う理髪店は個人店で、QRコード決済の代表格ともいえるPayPayの導入検討した話を聞きました。このとき、初期投資が低い以外にも、振込が翌月なのが魅力だと話していました。また、小規模な飲食店などでは、前日の売上を持って仕入れに出ることがざらにあるようなので、飲食店でPayPayの採用が多い理由は、ここにあると聞かされて納得しました。
Tap to Pay on Androidを運営するSquareでは、三井住友銀行・
今回のTap to Pay on Androidは、筆者のように国内で使える決済手段を持つ者は対象ではなく、訪日外国人旅行者を対象と考えれば合理的な選択となりそうです。
ただ、訪日外国人旅行者向けと国内在住者向けに支払い方法を分けて導入するのが現実なのかもしれません。支払い側にデメリットはなく便利になるばかりですが、事業者にとっては支払い手段が増えるのは、あまり嬉しい状況ではないかもしれません。
今週は、このあたりで、また来週。