近年のスマートフォンは、長く使えることが製品をアピールする要素になりつつあります。
たとえば、Google Pixelは、提供開始から5年間はソフトウェアのアップデートが保証されています。また、SamsungのGalaxyは、一部のモデルを対象に4世代のOSアップデート。5年間のセキュリティ保証が行われます。
4世代Android OSアップグレードをサポート | Samsung Japan 公式
Appleも明確な指針を示してはいませんが、秋にリリースされるiOS 17が2019年発売のiPhone XSからのサポートなので似た状況です。
ソフトウェアに関しては5年間のサポートが得られるようになり、こうした取り組みを安心して長く使える、ひいては、環境負荷を下げる取り組みとしてメーカーはアピールしています。スマートフォンをホイホイと買い換えたり、トレンドを追いかける筆者にとっては耳の痛い話です。
とは言え、多くのハードウェアは5年保証を受けることはできません。
5年使い続けようとすれば、バッテリが健全な状態で運用できないので、最低でも1度くらいはバッテリ交換が必要になります。いまのスマートフォンの多くは、ユーザが気軽にバッテリ交換できないのがあたりまえですが、こうした状況に一石を投じるメーカがあります。
サステナブルで長く使えるスマホ「Fairphone」
Fairphone、この名前を聞いたことがある方もいるかもしれません。
オランダのベンチャー企業で、サスティナブルなスマートフォン
Fairphone 4は、Android搭載のスマートフォンです。
これには、5年間のハードウェア保証が付くことにも驚かされますが、構成パーツがモジュラ形式で、ユーザが壊れたパーツを取り外して修正できます。
バッテリであれば、ユーザが古いバッテリパックを取り外して、新しいバッテリパックに交換できるというわけです。
Fairphoneは、フランス政府が導入する
修理しやすさを示すスコアであれば、iFixit scoreも馴染みがあります。これではFairphone 4は、10点満点中の10点です。ちなみに、iPhone 13は10点満点中の6点なので、この結果からもFairphone 4の修理のしやすさが理解できます。
Fairphoneのスペアパーツは、サイトから注文できます。Fairphone 4向けでいえば、バッテリパックだけでなく、カメラやスピーカ、USB-Cポートのモジュール、他にバックパネルやディスプレイなどが揃っています。
Fairphoneは、修理のしやすさだけでなく、公正な調達と材料のリサイクルにも力を入れています。
たとえば、紛争とは無縁の地域で責任を持って採掘された素材を調達したり、バックパネルに使われるプラスチックは、100%リサイクルされたものが使われています。以下には、その取り組みが詳しく公開されているので、興味のある方はアクセスしてください。
Our approach: Responsible mining and recycled materials
ソフトウェアはプライバシー保護
ハードウェアは、修理のしやすさと環境負荷の低さ、公平さに注目が集まっていますが、ソフトウェアは、メーカの5年間サポート以外では、やはりプライバシー保護への注目が高まっています。
たとえば、先のFairphone 4は、新たに米国で展開するにあたり、Androidではなく/e/
/e/
いずれも古めのものばかりですが、リストにある端末が手元にあれば、夏休みを利用してインストールして、環境やプライバシー保護に思いはせてみるのも良いかもしれません。
今週は、このあたりで、また来週。