Debian開発者のAurelien Jarnoは7月23日、DebianプロジェクトのRISC-V開発者向けメーリングリストに「riscv64 is now an official architecture」と題したメッセージを投稿、次期リリースの「Debian 13 "Trixie"」ではRISC-Vが正式なCPUアーキテクチャ(riscv64)としてサポートされることを明らかにした。
この決定に従い、RISC-VチームはRISC-Vパッケージのビルド作業を進めていくことになる。現時点ではまだパッケージングの初期段階であるため、RISC-V用のSidやExperimentalのアーカイブはほとんど空の状態だが、開発チームのManuel Fernandez Monteceloによれば、商用RISC-VベンダのSiFiveが提供する開発ボード「HiFive Unmatched」を9台使ってビルドを行っているという。開発ボードとして入手しやすく、パフォーマンスも高いことから最初のターゲットとして選ばれたようだ。
JarnoやMonteceloは「最新世代のRISC-Vハードウェア、とくにLinuxカーネルのメインラインでサポートされているハードウェアをDebianでカバーするまでにはまだ多くのチャレンジが残っている」と語っており、Trixieリリースまでの約2年をかけて、サポートハードウェアとRISC-Vポートの拡充を進めていく予定だ。