Linux Daily Topics

LXDから新コンテナプロジェクト「Incus」フォーク

Linux Containersプロジェクトは8月7日、LXDからフォークした新たなLinuxコンテナプロジェクト「Incus」をローンチしたことを発表した。2023年7月にそれまでLinux Containersプロジェクトの管理下にあったLXDプロジェクトをCanonicalが直接管理するようになったことを受けてのフォークで、openSUSEでLXDのパッケージングを行ってきたAleksa Sarai(SUSE所属)が作成したプロダクトをベースに開発が行われることになる。

IncusはLXDがCanonicalの管理下に移った直後(LXD 5.16リリース直後)にAleksaがフォークを作成、以来、1ヵ月ほど個人のプロジェクトとして開発が続けられてきたが、Linux ContainersプロジェクトのコミュニティメンバーとAleksaの話し合いの結果、IncusをLinux Containersプロジェクトの傘下に置くことが決定されたという。現在の開発チームにはAleksaのほか、Christian Brauner、Serge Hallyn、Stéphane Graber、Tycho AndersenといったLXD開発の初期から関わってきたメンバーが含まれる。Canonicalによる突然のLXDプロジェクトの移行決定はLinux Containersプロジェクト内に小さくない影響を及ぼしたが、今後はかつてLXDに使われていたリソースがIncusに振り分けられることになる。

Incusのゴールには「LXDに代わる完全にコミュニティ主導のオルタナティブを提供する」⁠LXDの開発で生じた誤りを修正する機会を提供する(これまでは下位互換性を壊さなければ修正できなかった⁠⁠」が設定されているが、現時点では具体的なロードマップは設定されていない。Linux Containersプロジェクトは「安定版をリリースするまでには少なくとも2、3ヵ月を要する」としており、既存のLXDユーザはしばらく様子見をする必要がありそうだ。

なお、Incusという名称は積乱雲(かなとこ雲)をあらわすラテン語「Incus Anvil」に由来しているという。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧