PyCon APAC 2023の歩き方

PyCon APAC 2023 コンテンツチームの小山(koyhoge: こいほげ)です。

2023年10月26日(木)から10月29日(日)まで、PyCon APAC 2023が開催されます。これはアジア太平洋地域のPythonコミュニティが集まる国際カンファレンスで、日本で開催されるのは2回目です。主な会場はTOC有明コンベンションホールです。

PyCon APAC 2023
URL:https://2023-apac.pycon.jp/

日本では一般社団法人 PyCon JP Associationが、年に1回PyCon JPカンファレンスを開催していますが、2023年はこれの代わりとしてPyCon APAC 2023の運営を受け持つことになりました。この記事ではPyCon APAC 2023のイベント内容や見どころを紹介していきます。

PyCon APACとは

まず最初にPyCon APACとは何か、軽く触れていきましょう。

Pythonコミュニティは世界中のさまざまな場所でテックカンファレンスを開催していますが、そのアジア太平洋地域にまたがった国際カンファレンスがPyCon APACです。2010年にシンガポールで第1回が開催されました。以降の開催国は以下のとおりです。

  • 2011 シンガポール
  • 2012 シンガポール
  • 2013 日本
  • 2014 台湾
  • 2015 台湾
  • 2016 韓国
  • 2017 マレーシア
  • 2018 シンガポール
  • 2019 フィリピン
  • 2020 マレーシア
  • 2021 タイ
  • 2022 台湾
  • 2023 日本

PyCon APACには、アジアはもとより世界中のさまざまな国から参加者が訪れます。PyCon JPカンファレンスにも毎年海外から多くの人が参加しますが、それとは比べ物にならないほど多数の海外参加者が見込まれています。

スケジュール

PyCon APAC 2023の全体スケジュールをざっと見ていきましょう。

  • Day 0:2023年10月26日(木)
    • チュートリアルセッション
    • ウェルカムパーティ(招待者のみ)
    • (会場設営)
  • Day 1:2023年10月27日(金)
    • 基調講演
    • カンファレンスセッション
    • ポスターセッション
    • ライトニングトーク
    • スポンサーブース
    • アンカンファレンス
  • Day 2:2023年10月28日(土)
    • 基調講演
    • カンファレンスセッション
    • ポスターセッション
    • ライトニングトーク
    • スポンサーブース
    • アンカンファレンス
    • 懇親会
  • Day 3:2023年10月29日(日)
    • スプリント(開発イベント)

参加方法

PyCon APAC 2023は有料カンファレンスとなっています。参加したい場合はチケット購入が必要です。

チケット購入は以下のブログ記事を参照ください。注意していただきたいのは、Day 0のチュートリアルとDay 2の懇親会はカンファレンスチケットに含まれないということです。チケット購入時にカートに入れた後のオプションとしてこの2つは選択できます。

チュートリアルセッション

Day 0にはチュートリアルが3セッション開催されます。チュートリアルとは、実際にその場で手を動かして試しながらあるテーマについて学ぶワークショップ形式のセッションです。1つのセッションは3時間です。チュートリアルに参加するには、通常の参加チケットの他に有料オプションの購入が必要です。開催されるチュートリアルは次の3つです。

  • Three Musketeers: Sherlock Holmes, Mathematics and Python
  • PyVistaによる3Dビジュアライゼーション
  • Network Analysis Made Simple(and fast!)

基調講演

Day 1とDay 2に基調講演がそれぞれあります。

Day 1の基調講演は、京都大学国際高等教育院教授の喜多 一さんです。大学のプログラミング教材としてPythonを取り上げ、その演習教材をCC-BY-NC-NDライセンスで一般公開されています。基調講演ではPythonと教育について語っていただきます。

Day 2の基調講演は、GitHubのデータエンジニアであり、かつてPython Software FoundationでDirector兼議長を務めたLorena Mesaさんです。Pythonコミュニティでの活動も深い経験を持つ彼女の知見を語っていただきます。

カンファレンスセッション

Day 1とDay 2のカンファレンスデイの通常セッションは、両日とも5トラック構成です。会場4階に4トラック、会場20階に1トラックあります。4階の4トラックにはいずれも30分の発表が割り当てられ、発表言語の構成は以下のようになっています。

  • Day 1:英語3トラック、日本語1トラック
  • Day 2:英語2トラック、日本語2トラック

20階の1トラックは15分の短いセッションが割り当てられ、これは日英のセッションが混在しています。

2日間で行われる通常発表総数は、30分トークが40、15分トークが16の全56セッションとなります。

今年の CfP(Call for Proposal)に対して応募があった発表の特徴としては、時代の流行を反映してかAI、機械学習に関するものが大変多かったです。実際に採択された発表はAIジャンルに偏りすぎることなく幅広く取り上げています。

ライトニングトーク

テックカンファレンスではすっかりお馴染みとなったライトニングトークですが、PyCon APAC 2023でもそのセッションがあります。5分間という短い発表を連続して次々おこなっていただきます。Day 1とDay 2のクロージングの前に行われます。

ポスターセッション

ポスターセッションとは、発表内容を1枚のポスターにまとめて、参加者に対面でその内容を説明する発表形式です。PyCon APAC 2023ではCfPで募集した一般の発表と、Pythonコミュニティの紹介を目的としたものの二種類があります。どちらも会場20階のホール内で展示されます。

ポスターセッションでは、2日間のイベント中発表者が常にポスターの前にいるわけにはいかないので、コアタイムを設けてその時間は確実にポスター前にいるように発表者にお願いしています。ポスターセッションのコアタイムは以下のとおりです。

  • Day 1:14:50-15:30
  • Day 2:14:40-15:20

スポンサーブース

PyCon APAC 2023は多くのスポンサー企業のみなさまに支えられて開催されています。各スポンサー企業は毎年様々に趣向を凝らして、参加者を楽しませてくれます。このイベントにブース参加している企業ということは、ある意味コミュニティフレンドリーな企業の証とも言えるので、どんどん話しかけてコミュニケーションの輪を広げていただけたらと思います。

アンカンファレンス

アンカンファレンスとは、特に事前募集を行わず、その場で突発的に参加者が発表したりBOF的な話し合いをするための場です。運営側が用意するのはプロジェクターとスクリーン、あと参加者の椅子だけです。ホワイトボードに時間で区切られた空のスケジュール表を用意しますので、そこに自分で自由に発表したい内容を書き込んで、時間が着たら発表を行ってください。

アンカンファレンスの会場は、20階にあるポスターセッションと同じホールになります。

懇親会

Day 2のイベント終了後には、懇親会が用意されています。本年は懇親会参加費はカンファレンス費用には含まれませんので、参加したい方はチケット購入時のオプションとして懇親会(After Party)を選択してください。

スプリント

スプリントとは、開発者がそれぞれのテーマを持ち寄りその場で開発を行うミーティングです。

スプリント開場は、渋谷にある株式会社HENNGEさまのオフィスをご提供いただいています。カンファレンスデイの会場であるTOC有明コンベンションホールとは異なりますのでご注意ください。

スプリントの参加希望は、カンファレンスチケット購入時のアンケートにて表明することで行われます。スプリントでは、スプリントリーダーが自分のやりたいことを表明し、それに賛同する参加者がそのチームに参加します。スプリントリーダーは誰でもなれますし、特に仲間を募集せずに個人で開発を進めても構いません。

託児室

カンファレンスには参加したいが、小さいお子さんがいるので無理と諦めている方々のために、PyCon APAC 2023では託児室を用意しています。予約が必要になりますが、無料で使用できます。Day 0,1,2のTOC有明コンベンションホールと、Day 3のスプリントの4日間対応しています。専門の業者さんに委託しているので、安心してお預けいただけます。

詳細はカンファレンス公式サイトのドキュメントをご覧ください。

おわりに

PyCon APAC 2023はその名の通り国際カンファレンスなので、海外から多数のPythonコミュニティの方々が参加されます。海外のPython好きの人たちと交流できるまたとない機会ですので、ぜひとも多くの人と交流を深めていただきたいと思います。

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