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Apple根負け? Googleが求めていたRCSをメッセージに採用

GoogleがAppleに対して、メッセージでの採用を求めていたRCS「Rich Communication Service」を、Appleがメッセージアプリで採用することをメディアを通じて発表しました。

Apple announces that RCS support is coming to iPhone next year - 9to5Mac

Googleの他に、SamsungもAppleに対してRCSを採用するように働きかけを行っていました。また、Googleは昨年の8月に、RCSを採用しないAppleを非難するショート動画をXにポストしたこともありました。

RCSの採用をGoogleが働きかける理由として、以下のような制約があることを挙げています。

  • Androidは、メッセージで作成したグループチャットには参加できるが、高解像度の画像や動画が共有できない
  • 入力中のインジケータが表示されない

他にも参加者の吹き出しの色(Apple勢はブルー、これ以外はグリーン)に違いがあることで、差別が起きているなどもがあります。これは、使う側の問題なので、これを理由に非難するのは間違いだと思いますが、米国の若者の間では、差別が発生していることを報道するメディアもあり話題になっているようです。

Why Apple’s iMessage Is Winning: Teens Dread the Green Text Bubble - WSJ

他、RCSは多くのAndroidで採用されており、iMessageが実現している機能のすべてをカバーする。そして、iPhone同士のやりとりにも何の支障も発生しないので、実装をRCSに移行して相互乗り入れできるようにするべきだとしています。

他のサービスを見ると端末が異なっても支障なくやりとり出来るような状況にもかかわらず、SMSはお粗末な状況でした。ティム・クックは、これの解決策として「iPhoneを買ってあげてください」と答えたこともあり苦笑いするしかなかったので、解決する動きになったのは喜ばしいことです。

Appleの方針転換理由は、EUのデジタル市場法が関係するとの見方もできますが、長年、採用の働きかけを行ってきたGoogleの粘り勝ちでもあり、同じように働きかけを行っていたメーカの手柄です。

2024年の後半にはアップデートで提供

Appleは、RCSをサポートしたメッセージアプリを2024年後半に、ソフトウェアアップデートで提供する予定としています。よって、毎秋にリリースされている、OSのメジャーアップデートには間に合わないのかもしれません。

過去、iMessageの仕様をオープンにすると言って、結局、オープンにしていない件もあるので、本当に2024年後半に出てくるのか?と疑いの目で見てしまいます。

ただし、吹き出しの色はこれまでどおり、Apple勢はブルー、これ以外はグリーンというのは変わらないようで、9to5Macの記者の問いに対してAppleが明らかにしています。

What color bubbles will RCS messages be? Here's Apple's answer - 9to5Mac

これはメッセージの方が強力な暗号化をサポートしており、安全な方法でコミュニケーションを行なっていることを示すためとしています。転んでも「タダ」では起きないのは「らしい」ところです。

その暗号化は、GSMAメンバーと協力して強化に取り組むとAppleはコメントしているので、吹き出しの問題はいずれは無くなるのかもしれません。

端末間のファイルやり取りも解決してほしい

1年ほど度先の話ですが、SMSの問題は解決への方向性が示されました。

この流れで解決してほしいのが、ファイルのやり取りです。これも、Android勢はNearby Shareで、Apple勢はAirDropで、相互運用ができません。これの状況がさらに面倒なのは、iPhoneとWindowsの間、AndroidとMacの間でもやりとりできず、デスクトップとの垣根もあります(AndroidとMacの間は「NearDrop」で解決できます⁠⁠。

これこそ、技術的な課題は、そう多くないように思えるので解消する方向で検討を進めてほしいものです。

今週は、このあたりで、また来週。

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