Proxmox Server Solutionsは11月23日(オーストリア時間)、オープンソースの仮想化プラットフォーム「Proxmox Virtual Environment(VE)」の最新リリース「Proxmox VE 8.1」をリリースした。ベースとなっているのはDebian 12.2だが、カーネルにはLinux 6.5を採用しているほか、QEMU 8.1.2やLXC 5.0、OpenZFS 2.2.0など最新のオープンソーステクノロジを数多く実装している。
ProxmoxはDebianをベースOSとする仮想化ツールで、仮想化にはLinuxカーネルのKVMを利用している。Debianをベースにしているため幅広いハードウェアをサポートできるほか、WebベースのGUIや複数の仮想マシン/コンテナの統合管理、USBメモリからの容易なインストールなど、個人ユーザから大規模なデータセンターまでさまざまなユースケースに対応できるよう、使いやすく設計されているのが特徴だ。Proxmox Server Solutionsが提供するサブスクリプション版(1CPUあたり年間105ユーロ)には定期的なアップデートとテクニカルサポートが含まれるが、オープンソース版であってもサブスクリプション版と同じ機能を利用できる。
Proxmox VE 8.1ではshimブートローダーを含めることでセキュアブート(Secure Boot)に対応、またSoftware-Defined Network(SDN)をデフォルトでサポートし、マルチテナントなどデータセンターレベルの複雑なネットワーク管理もWebインタフェースから直接行うことが可能になっている。Cephのサポートもアップデートされており、新たにCeph Reef 18.2.0のサポートが追加されたほか、Ceph 17.2.7のサポートも継続される。また、通知システムに新しいフレームワークが導入され、ローカルPostfix MTAに加えてSMTP認証を必要とするGotifyサーバまたはSMTPサーバが通知ターゲットに含まれるようになった。
Proxmox VE 8.1はPromoxのダウンロードサイトから入手できる。ベアメタルマシンへのインストールのほか、既存のDebian環境上へのインストールや、古いバージョンのProxmoxからaptを使ってアップグレードも可能となっている。