3DP ジャングル

[クリスマス特別回] 3DPするのにあったら絶対便利なツール5選!

今回はクリスマス特別回! いつもは設計・モデリングを主に扱っている本連載ですが、今回は、あると3Dプリンタライフが快適になるツール5つを紹介します。

3Dプリンタを購入して色々プリントし始めると、今度はプリントした結果に微調整が必要だったり、パーツの大きさやサイズで作業がしづらい……という、小さい面倒くささを感じる経験が多くなってくるかと思います。ちょっと面倒くさいだけならまだいいのですが、ものによってはケガにつながるものもあります。

今回はそれらの一部を解決してくれるツール類を紹介します。Amazonやコーナンのツールのページもあわせて紹介しておいたので、3DPをたしなむ方へのちょっとしたクリスマスプレゼントに検討してみてください。

第5位⁠ツールボックス

まず第5位です! 最初は細かいパーツやツールを入れるためのツールボックスです。

図1 ツールボックス(Amazon|コーナン
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3Dプリンティングを続けていると、あっというまにツールと小物がたまっていきます。ひとつだけあまったプリント部品、ここで紹介しているようなツール類、交換用のパーツ、ピンやネジ類……。とにかくたくさんのもので机の上が溢れてしまうでしょう。

完全に溢れかえってしまう前に持っているツールやパーツに合わせたボックスをこまめに買いましょう。サイズや形はお好みで良いです。仰々しいものは必要ありませんが、ひとつはべんとうばこ(上図のようなツール類が入るくらい)の大きさのものがおすすめです。箱の中に仕切りを好きに設置して小分けできる箱は便利ですが、小分けすると今度は逆に大きいツールが入らないジレンマがあるので、そのあたりも考えて購入しましょう。

筆者的には最初はツール類を入れるための大き目のボックスが1、2個、余った細かいパーツ等を入れるための小さいボックスが3、4個あると重宝するかと思います。

第4位⁠デジタルノギス

第4位はズバリ、デジタルノギスです!

図2 デジタルノギス(Amazon|コーナン
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私は最初はこんなものいらない、と思っていました。しかし0.1mm単位の微調整をしたり、デザインを少しずつ調整して形を変えていったりと工夫していると、どうしても似たようなパーツがたくさんできてしまいます。どれがどれだったのかわかるなくなる上、そもそもどのサイズのパーツが成功したのかわからなくなるわけです。このような様々な弊害が出てきます。

そこで自分が今いじっているパーツの寸法がそもそもどうなっているのかを確認する、すなわちプログラミングでいう確認のためのデバッグ出力相当のことをためにノギスは必須アイテムだと考えるようになりました。

メジャーは大雑把に大きさを測るにはいいのですが、0.1mm単位の微調整を繰り返しているときに使うには適していません。同じようにアナログのノギスもメモリの確認が必要なため、例えば、スライサの設定でフィラメントが少し流れて0.1~0.2mm広がったかどうかの確認をするのにはあまり適していません。デジタルノギスの一発で値が出力される仕様は見た目以上の効果があります。最初はアナログでいいやと思っていてもそのうちデジタルノギスがほしくなるのは確実なので、もう最初からデジタルを購入しましょう。

第3位⁠バイス

第3位はバイスです!

図3 バイス(Amazon|コーナン
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本記事でこのあと出てくるツール類を使うのにパーツをしっかり固定しないといけないことがあります。このとき手でなんとかなることも多いですが、バイスを使い始めるとこのあたりの苦労が泡のように溶けてなくなります。時間や労力の節約のため、是非適当な大きさのバイスを持つことをお勧めします。

ネジや歯車などのとがったパーツが多いものや、特定の方向に正確に力を込めないとパーツが壊れてしまう場合(サイズがギリギリの穴に突起部分を差し込む場合など)や、穴あけなど方向があっていないといけない作業をするには必需品です。

台となる板側に万力で取り付ける形のものが多いですが、吸盤で吸い付くタイプもあります。万力で取り付けるタイプは筆者が使っているような面取りが施された机では使いづらいので、筆者は吸盤タイプを使用しています。ただし吸盤で吸い付くタイプは木目の机の上などでは使えないので注意しましょう。私は人工大理石の台を購入し、その上を作業スペースとすることでバイスを使っています。

第2位⁠各種ビットとグリップ

第2位は各種ビットとグリップです!

図4 ビットとグリップ(Amazon|コーナン
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ビットはいわゆるドリルやドライバーの先の部分で、用途に合わせて変えることができます。いくつかの種類がありますが、個人的に必須だと思うのは穴をあけるためのドリルビット一式です。

3Dプリンタで穴をプリントすると、デザイン時で思っていたのより意外とサイズが小さくなりがち。例えば5mmの穴がほしいのに、プリントされてきたものをノギスで測ったら4.8mmだった……。こんなことはよくあります。そこに採寸ピッタリの棒やパーツを入れようとしてもうまくはまりません。

そのような場合はモデルのデザインに手を入れてサイズを調整してもよいですが、改めてプリントしなおすのもフィラメントがもったいないでしょう。そこで、ただ穴がほしいだけなら、手で正しい大きさの穴を開けてしまいましょう。それに使えるのがビットとグリップです。電動でもいいのですが、個人的には3Dプリントするサイズのものだと手動でやるほうがきれいにできる気がします。ピンを入れるような小さい穴だと正確にプリントするのはなかなか難しいので、そのような場合はだたいの大きさをモデルで作って、最終的にはツールで穴をあけましょう!また本連載ではまだ触れていませんが、sacrificial bridging(サポートを使わずに垂直方向に穴を作成するためのテクニック)等を使う場合にも重宝します。

図5 ドリルビット(Amazon|コーナン
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ドリル以外にももし六角穴のネジを使う場合はくの字型の六角レンチではなく是非ストレートタイプの六角ビットも手に入れてください。特に細かい部品に関しては六角ビットとグリップの組み合わせのほうがレンチより遥かに使いやすいはずです。

6.35mm六角ビット対応のグリップは大きい穴から小さい穴まで色々対応できますし、さらに将来ラチェットハンドルを購入した時にはアダプタを使って、ラチェットから使うことも可能ですので、投資した分のリターンは高いと思います。なお、ビットにはショートタイプとロングタイプがあるので、用途に合わせて使い分けましょう。

図6 六角ビット。細かい部品をしめるのはこちらのほうが楽(Amazon|コーナン
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惜しくも選外のツール達

第1位の前にいくつか選外となってしまったものを紹介します。

ノズルクリーナ

まずはノズルクリーナです。

図7 ノズルクリーナの代わりに使用しているキャブレタークリーナ(Amazon
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ノズルクリーナはエクストルーダのノズルがなんらかの理由で詰まってしまった時に掃除をするためのツールです。正直最初のうちはほとんど必要ないかもしれませんが、初めてPLA以外の素材のフィラメントを使ってみた時など、いままでと違うフィラメントを使って失敗してしまった時にはノズルクリーナを持っていないとどうにもならない場合があります。筆者は水溶性のPVAフィラメントを使ったときに温度設定等がうまくいかず詰まらせてしまった時に重宝しました。

ノズルクリーナは身もふたもない言い方をしてしまうとただの針金に凹凸がついただけのものなので、バイクに乗るような人はキャブレター用のピンクリーナでも代用可能です。また、購入する際にはその長さにも注意してください。プリンタの種類や、分解して作業するかどうかによって必要な長さが変わります。あまり出番がないので選外となりました。

三脚

次は三脚です!

図8 三脚にスマホ用のアダプタを付けて撮影している
図8

……はい、3DP自体には関係ないのですが、せっかく3DPするなら写真や動画を撮影できる環境があったほうがやる気も出るというものです。プリントしたものを動画に撮りたい場合など、どうしても両手を使ってそれを支えながら撮影したいときに必須アイテムです。スマホ用のデスク等の上で使う足の短いものでもいいですし、上から見下ろすアングルがいいなら野外でも使える大きめのものの先にスマホ用のアダプタをつけるとよいでしょう。直接プリントには関係ないので選外となりました。

定番ツール

最後に当たり前すぎるので選外になってしまったものとしては、ラジオペンチ、ニッパー、ヤスリ類などの定番ツールです。

図9 ラジオペンチ、ニッパー、ヤスリなどの定番ツール
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もしこれらを持っていなければ確実に持っていたほうがよいでしょう。ニッパーなどは3Dプリンタに同梱されていることも多いため、もともと持っている方も多いでしょう。それらのツールで問題はないのですが、たくさん3DPをし始めたら、より切れ味のよいニッパーやよりタイトにグリップできるペンチ類などを考えるといいかもしれません。

映えある第1位は…!

そして映えある第1位は……バリ取りです!

図10 バリ取り(Amazon|コーナン
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ある程度モデリングを行い、上手にプリントできるようになるとバリ取りの登場回数自体はそれほど多くないかもしれません。しかし、バリ取りでしかできない役目があり、他の道具で代えがたいために今回の第1位としました!

プリントしたものにサポートとして追加の「足」部分があったとします。このような場合、薄いサポートを切り離すわけですが、どうしてもプリントされたものの少し切り残し(バリ)が残ってしまいます。また、棒を通すための穴に残ったゴミを削るなどもでき、とても便利です。

もし皆さんが3Dプリンタを購入した直後にこのような状況に直面して、バリ取りを持っていなかったら、きっとカッターナイフなどでこのバリを削ったでしょう。しかし持ちにくいパーツを指でもって鋭利な刃物を動かすとなると、いつか事故が起こるのは明白です。そこでバリ取りを使います。バリ取りはその形状から力を入れて操作しても指を切ってしまうことはありません。 指をザックリ切って病院のお世話になる前に購入しておくのを強くお勧めします。

図11 カッターと違って手を切る心配をせずにバリ取りができる
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以上、お勧めの3DP関連ツールでした。

ここで紹介したツールはどれもお値段や性能はピンキリです。なかにはプロが使うものは私が使っているものの数十倍の値段がするものもありますし、どれを購入するかは自身の環境にあわせて検討してみてください。ただ、どれもホームセンターに普通に置いてあるものですし、安いものであっても適切なツールを使うと作業効率がグンとアップします。必要と感じたらすぐ購入して、それで余った時間をモデリングやデザインに使いましょう!

余談ですが、頻繁に使うツール類は自作の3DPペン立てに入れて管理しています。便利!

図12 少し間口を広めにデザインしたペン立て
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