ここ数年、多くのLinuxディストリビューションが32ビットアーキテクチャ(i386)をサポート対象から外す動きを加速しており、カーネルのメインラインでも起動時に32ビットの有効/無効を選択できるようになるなど、32ビットサポートは確実に縮小化に向かっている。数あるディストリビューションの中で最も幅広いハードウェアサポートを誇るDebianも例外ではなく、本格的にi386サポート終焉に向けてカウントダウンが始まったようだ。
DebianリリースチームのPaul Geversは2023年11月下旬に英ケンブリッジで開催された「Mini DebConf Cambridge」において「カーネルチーム、インストーラ(d-i)チーム、イメージチームは近い将来、i386のサポートを終了する」予定であることを明らかにし、その後のi386アーキテクチャの扱いについてユーザフォーラムで議論を重ねていくとしている。現在出ている案は以下の2つだ。
- amd64システム上のマルチアーキテクチャオプションとして動かす
- 別のアーキテクチャ上でi386 chrootとして動かす
なお、Geversは「Ubuntuのようにi386アーキテクチャを部分的に提供する予定はない」とコメントしており、「arch:any」には引き続きi386が含まれるようになるため、すべてデフォルトでビルドされるとしている。Debianプロジェクトは現在、次期リリース「Debian 13(開発コード"trixie")」に向けて準備を進めているが、他のディストリビューションと同様にi386のサポートが非常に限定的になることは疑いなさそうだ。