イラストでわかる! Blenderの基礎知識

Blenderでボーンを効率よく動かせるようになる「ボーンコンストレイント」使ってみよう

本連載では、Blenderの基本的な知識、機能についてイラストを交えながら紹介しています。第27回目は、あるボーンを動かすと別のボーンもその動きに合わせてなんらかの動きをする、といった機能を追加できる「ボーンコンストレイント」について見ていきます。これはアニメーションを作る際に知っていると便利な機能です。

前回紹介した「ウェイトペイント」は、オブジェクトがどれだけボーンに追従するかを設定する機能のことでした。今回紹介する「ボーンコンストレイント」は、オブジェクトに対してではなく、ボーンに対して様々な機能を追加できるものとなります。

ボーンコンストレイントとは

ボーンコンストレイントとは、あるボーンを動かすと、別のボーンもその動きに影響を受けてなにかしら動く、といった動作を表現します。

たとえば、あるボーンを動かすとそのボーンを注視するように別のボーンが動いたり、あるボーンを上下に動かすと別のボーンは左右に動いたり、といった動作をおこなえます。

図1

ボーンコンストレイントにはたくさんの種類があります。今回はその中でもよく使われる「FK(フォワードキネマティクス⁠⁠」と「IK(インバースキネマティクス⁠⁠」について見ていきます。

FK(フォワードキネマティクス)とは

まずはFK(フォワードキネマティクス)について見ていきます。FKとは、⁠それぞれのボーンを1つずつ個別に動かしていく」といったモードのことを言います。つまり、ボーンを設定した際のデフォルトの状態というわけです。

たとえば、腕を動かすときにポーズをつけたいボーンそれぞれを動かす必要が出てきます。

図2

IK(インバースキネマティクス)とは

次にIK(インバースキネマティクス)について詳しく見ていきます。

IKはFKと違い、1つのボーンを動かすとほかのボーンも影響を受けて動きます。たとえば、つま先にIKを設定したボーンを動かすと足全体が動く、といった感じです。

図3

個別に動かす必要がないため、場合によってはとても効率的にポーズをつけられるようになります。

このIKの設定方法を見てみましょう。

たとえば、足にIKを設定したいとします。そんなときは、足のボーンを複製し、複製したボーンを選択した状態で、画面右側「ボーンプロパティ」からペアレント、接続、変形の3つを無効にします。

図4

その次に、モードを画面左上から「ポーズモード」に変更し、ボーンコンストレイントを設定していきます。ふくらはぎにあたるボーンを選択し、画面右側にある「ボーンコンストレイントプロパティ」から「IK(インバースキネマティクス⁠⁠」を選びましょう。

図5

「ターゲット」はArmatureに、⁠ボーン」は先ほどペアレント、接続、変形を無効にしたボーンを選択します。また、⁠チェーンの長さ」「2」にします。これは、ふくらはぎと太ももの2つを動かしたいため、2にしています。

図6

設定が終わったら、ペアレントと接続、変形を無効にしたボーンを動かしてみましょう。すると、足全体が動くようになります。

図7

IKの設定方法は少し複雑ですが、知っておくととても便利な機能になります。


次回もボーンコンストレイントの便利な機能について見ていく予定です。よろしくお願いします!

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