Linus Torvaldsは1月7日（米国時間⁠）⁠、事前の告知通りに「Linux 6.7」の正式リリースをアナウンスした。開発期間中に年末年始が含まれていたため、通常よりも1本多い8本のリリース候補版（RC）を経ての公開となる。サイズ的には過去のリリースの中でも最大の部類に入るものの、リリースに際しては大きなサイズのカーネルにありがちな大きな混乱や問題もなく、Linusが望んだように穏やかな年始めとなったようだ。

• Linux 6.7 -Linus Torvalds

Linux 6.7における最大のハイライトは、長年に渡って実装が期待されていたコピーオンライト（CoW）の新ファイルシステム「Bcachefs」のサポートで、現時点でも実験的な立ち位置ではあるものの、今回はじめてメインラインに統合されたことで、どう進化していくかが注目される。

また、ハードウェア関連では以下のような変更が実施されている。

• 2023年12月に正式リリースされたIntelの次世代マイクロプロセッサ「Intel Meteor Lake」のグラフィックサポートがデフォルトで有効
• NVIDIAグラフィクスカード向けのオープンソースドライバ「Nouveau」でのNVIDIA GSPファームウェアサポート
  • …Nouveauによる初の「NVIDIA GeForce RTX 40」シリーズのサポート
• 「Sophgo RISC-V」チップの初期サポートなどを含む64コアRISC-Vアーキテクチャのサポート強化
• ブート時における32ビットサポートの有効/無効の切り替え
• IA-64（Intel Itanium）アーキテクチャサポートの終了（カーネルツリーからの削除）

Linusは1月8日に次のリリースとなる「Linux 6.8」のマージウィンドウをオープン、オープン前からすでに20を超えるプルリクエストを受け取っているという。開発が順調に進めば、2024年3月中旬には新しいカーネルのアナウンスをまた聞けることになるはずだ。