Android Weekly Topics

続⁠Gemini⁠1週間経つと世界が変わる

今週は、先週に引き続きGoogleのGeminiに関する情報をピックアップします。

Geminiアプリのリリース状況

Geminiの日本語対応したアプリがリリースされました。

今のところは、Pixel 8 Proをターゲットにロールアウトされているようで、他の端末での利用報告は見かけていません。

2023年12月のFeature Dropには、Gemini Nanoの英語版が含まれていました。これは、デバイス単体で稼働できるようにしたコンパクトサイズのGeminiでPixel 8 Proのみで稼働していました。

日本語版もPixel 8 Proでしか動作しないようなので、12月のFeature Dropに含まれていたGemini Nanoの日本語版で間違いはなさそうです。

動作端末が限られる理由は、Pixel 8 Proに搭載されているTensor G3の機械学習に特化したTPUにありそうです。

Pixel 8シリーズが発表されたときに、Pixel 6シリーズ搭載のTensor G1のそれと比較すると、2倍以上の機械学習モデルを端末上で実装できるとアピールしていました。Pixel 8 Pro以外で動作しないのは、Gemini Nanoが使う機械学習モデルがTensor G3以外では実装できないのかもしれません。

要因がハードウェアならば、今後もPixel 8 Proでしか使えない可能性が高いので、筆者はPixel 8 Proが安く買えるときに移行しなかったのを後悔しました。

注:2月21日、リリース範囲が広がり、筆者のPixel 6 ProでもGeminiが使えるようになったことが確認できました。

Geminiへの移行は簡単です

Geminiへの移行は、Googleアシスタントアプリを起動したときに、移行可能な状態であればGeminiへの切り替えを促すプロンプトが表示されて、⁠今すぐ試す」を選択するとGeminiが有効になりさっくりと移行できます。Google One AIプレミアム プラン(月額2,900円)に加入していれば、Gemini Advancedも使えます。

Google One のトップのランディング ページ

Geminiへ切り替えた後でGoogleアシスタントに戻す時は、設定アプリの「Googleのデジタル アシスタント」から、メニューをたどっていけば、デフォルトするデジタル アシスタントが選択できるので、Googleアシスタントに戻せます。

ちなみに、iOS版の「Google」アプリもGeminiが使えるようになりました。アプリのトップページで、GeminiかGoogle検索か切り替えできるようになっており、GeminiにするとウェブサービスのGeminiと同じプロンプト画面が表示されます。これも、Android版アプリ同様にロールアウトされているようですが、筆者が所有するiPhoneでは、まだ使えません。

筆者は、AndroidとiOSの両方でGeminiにフラれてしまった格好なので残念です。

早くもGemini 1.5がリリース

2月8日にGemini 1.0 Ultraを公開し、この1週間後になる2月16日には「Gemini 1.5」の発表を行い、利用を開始するとアナウンスされました。

Google Japan Blog: 次世代モデル、 Gemini 1.5 を発表

Gemini 1.5は大幅な進化をしており、たとえば、1.5 Proはより少ないコンピューティングパワーで1.0 Ultraと同様の品質を担保します。また、最大100万トークンを継続的に処理できます。これは、動画であれば1時間、音声であれば11時間、テキストであれば70万語を一度に処理できることを意味し、扱える情報量が大幅に増えました。

例として、アポロ11号の月面着陸に関する402ページの資料では、会話や出来ごと、画像に関して推論できます。また、44分間のバスター・キートンの無声映画では、プロットや出来ごとを正確に分析して、見流しがちな部分についても推論できるので、人では見落とす可能性があるところも推論や分析するとしています。

たとえば、計算や同じ事を繰り返す処理は、コンピューターの得意技と認知されて、いまはコンピューターが当たり前のように使われています。今後、Geminiのような汎用AIを使って、大量の資料整理や資料把握や時間をかけて人手で確認の必要があった動画の内容把握は、AIの手を借りるのが当たり前になりそうです。

今でも、PCを使うために一定のスキルを求められますが、AIが前提になると、ユーザーには知りたいことを的確に文書化できる能力はもちろんのこと、AIが推論・分析した内容を読み解き、次のアクションを考えて、AIに指示できる能力がPCを使うスキルとして求められるかもしれません。

今週は、このあたりで、また来週。

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