Ubuntu派生ディストリビューションの中でもインストールのしやすさや対応ハードウェアの多さ、カスタマイズ性の高さなどで人気が高い「Pop!_OS」は、「LinuxデスクトップにおけるmacOSのような存在」と評価されることも多い。そのデスクトップエクスペリエンスの根幹となっているのが、GNOMEをカスタマイズした独自のデスクトップ環境「COSMIC(Computer Operating System Main Interface Components)」だ。
現在、このCOSMICをRustで書き直し、まったく新しいデスクトップ環境「COSMIC DE」としてローンチする計画が、開発元のSystem76によって進められている。同社は2月14日付けで「Closing in on a COSMIC Alpha」と題したブログを投稿、開発が順調に進んでいることを強調しており、4月リリース予定の「Pop!_OS 24.04 LTS」(Ubuntu 24.04 LTSベース)で正式リリースする予定だとしている。
Pop!_OS/COSMICの開発元であるSystem76は、COSMICのベースとなっているGNOMEとは「デスクトップ開発の方向性、とくに拡張機能に対する考え方が大きく異なる」として、2021年ごろから新しいデスクトップ環境が必要との認識を示していた。開発スタートを発表したのは2023年1月で、以後、同社のブログ上で継続的に進捗が報告されてきたが、1年余りを経てようやくローンチの目処が立ったことになる。なお、System76は新しいデスクトップ環境でもこれまでのCOSMICに近いエクスペリエンスを提供することを標榜している。
COSMIC DEのデビューはPop!_OS 24.04 LTSとなるが、単独のディストリビューションに依存するわけではないため、他のディストリビューションでも実装が可能となると見られる。すでにFedoraプロジェクトではCOSMIC DEのスピン化(Fedora Atomic Desktops)を検討する動きも出ており、今後はほかのディストリビューションでもCOSMICへの関心が高まってきそうだ。