本連載は、Blenderの基本的な知識・機能についてイラストを交えながら紹介しています。
前回は、ボーンコンストレイントの中でもボーンをほかのボーンに注視するような動きをつけられるものや、ボーンを伸縮させる動きがつけられるものを見ていきました。第30回目の今回は知っておくと便利な「ラティス」と、ボーンの動きをうけて別のボーンではほかの動きに変換できる「トランスフォーム変換」を見ていきます。
ラティス
ラティスとは、簡単にいうと格子状の枠内に収めたオブジェクトを、格子状の枠を動かすことで手軽に動かせるようになる機能です。
直方体にラティスを適用させる方法を見てみましょう。頂点が多いほど滑らかに動かすことができるので、滑らかに動かしたい場合は「細分化」などを行い、頂点数を増やしておくといいでしょう。
直方体が用意できたら、次はラティスを配置します。Shift+Aで表示されるメニューから「ラティス」を選択しましょう。すると格子状の枠が配置されるので、オブジェクトが中におさまるよう、ラティスを拡大/縮小してサイズを調整します。
次に、オブジェクトとラティスを紐づけていきます。オブジェクト→ラティスの順で選択したあと、Ctrl+Pで表示されるメニューから「ラティス変形」を選択することでオブジェクトとラティスが紐づけられます。これでラティスを動かすと、その動きに連動してオブジェクトを動くようになります。
紐づけたあと、オブジェクトを選択した状態で画面右側にある「モディファイアプロパティ」を見てみると「ラティス」が追加されていることがわかります。つまり、紐づけた時点で、自動的にオブジェクトに「ラティス」モディファイアが追加されるわけです。
複雑なオブジェクトを動かすときなど、この機能を使うことでより簡単に動かせるようになりますね。
トランスフォーム変換
ボーンコンストレイントの1つである「トランスフォーム変換」とは、あるボーンの動きに合わせて、別のボーンが動くといったものです。例えば、あるボーンを上下に動かしたら別のボーンは拡大/縮小したり、またはあるボーンを回転させたら別のボーンは左右に動く、といったような動きをつけられます。
今まで紹介してきた減衰トラックやストレッチも、ほかのボーンの動きの影響を受けるものでした。今回紹介するトランスフォーム変換は、あるボーンの「位置」「回転」「スケール」をもとに、別のボーンの「位置」「回転」「スケール」を変更することも可能です。減衰トラックでは注視するような動き限定だったものが、トランスフォーム変換では「位置」の動きをもとに「回転」する、といった「ある動きから別の動き」へ変換できるわけです。
トランスフォーム変換を適用する方法は、まずボーンを選択し、画面右側にある「ボーンコンストレイントプロパティ」から「トランスフォーム変換」を選択します。
そして、ターゲットを「アーマチュア」に、「ボーン」を「ボーンコンストレイントを追加したボーンを動かす基準となるボーン」にします。
設定項目に「変換元」と「変換先」にそれぞれ値を入力することで、動きを変換することができます。例えば、「変換元」の「位置」におけるXの最小値を「-2m」、最大を「2m」にし、「変換先」の「回転」における「Xの変換元」を「X」に、最小を「-90°」、最大を「90°」にしたとします。
すると「ボーン」に指定したボーンをX軸に沿って動かすことで、「トランスフォーム変換」を追加したボーンが回転するようになります。
今回は知っておくと便利なコンストレインとについて見ていきました。次回は、簡単なアニメーションを作成する方法などを見ていく予定です。
次回もよろしくお願いします!