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Fedora 41ではX.Orgセッションをデフォルトから削除へ ―加速するX.Orgからの脱却

GNOMEのウィンドウマネージャとしてWaylandコンポジタのMutterが普及するにしたがい、長くディスプレイサーバのデフォルトであったX.Orgが使われるケースは徐々に少なくなっている。2022年4月にリリースされた「Ubuntu 22.04 LTS」でWaylandがデフォルトとなってからはその流れがさらに加速しており、これまでWaylandとX.Orgの両方をサポートしていたディストリビューションも次々とWaylandオンリーにサポート方針を変更している。

2024年4月に「Fedora Linux 40」のリリースを予定しているFedoraプロジェクトもまた、X.Orgからの脱却をより進めていく姿勢を明らかにしている。Ferora Workstationのワーキンググループでは3月5日、GNOMEのX.Orgセッションのサブパッケージを非推奨とするプルリクエストについて議論を行い、今秋リリース予定の「Fedora Linux 41」でこの変更を進めていくことを決めた。この提案がFedoraプロジェクトの最高意思決定機関であるFESCoによって承認されれば、FedoraデスクトップのデフォルトからX.Orgセッションが消えることになる。

Fedora Workstation WG discussed this today and we agreed we should do this for Fedora 41, since it is really too late already for F40 and it should really be handled as a System Wide Change anyway.

Fedora Workstationワーキンググループは本日(3/5⁠⁠、この件について議論し、Fedora 41においてこの変更を進めたほうがよいという合意に達しました。⁠4月リリース予定の)Fedora 40で実行するにはすでに遅くなりすぎており、また(FESCoの変更カテゴリのひとつである)まずは「System-Wide Changes」に諮るべき必要があるからです。

Fedoraは2016年11月リリースの「Fedora Linux 25」からWaylandをデフォルトのディスプレイサーバとしており、FedoraをスポンサードするRed Hatも「Red Hat Enterprise Linux 10」以降のリリースからX.Orgを削除することを決定している。また、Mutter以外のWaylandコンポジタに関しても活発な動きが多く、i3ウィンドウマネージャ互換の「Sway」やWaylandコンポジタをsystemdユニットでラップして管理する「UWSM」などさまざまなプロジェクトが登場している。X.OrgがWaylandに完全にリプレースされるまでにはまだ時間がかかりそうだが、その流れが確実に速くなっているのは疑いない。

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