Fedoraプロジェクトは3月26日(米国時間)、「Fedora Linux 40 Beta」の公開を発表した。正式版のリリースは2024年4月中旬から後半が予定されている。
Fedora Linux 40 Betaとして公開されているのは「Workstation(デスクトップ)」「Server(サーバ)」「IoT」「Cloud(クラウド)」の4つのエディションで、これらに加えコンテナホストに特化した「Fedora CoreOS」のNextストリームでFedora 40 Betaを体験できる。デフォルトのデスクトップ環境には3月20日にリリースされた「GNOME 46」を採用、またKDEデスクトップ版では2月リリースの「KDE Plasma 6.0」がWaylandオンリーでサポートされている。
Fedora 40 BetaではAI/機械学習分野の強化として、機械学習フレームワークとしてひろく使われている「PyTorch」をパッケージ化し、sudo dnf install pytorch
のみでインストール可能にしている。なお現時点ではCPUベースでの計算のみ可能だが、近い将来にはGPU/NPUといったアクセラレータのサポートも予定されている。また、AMD GPU向けのアクセラレータフレームワーク「ROCm 6.0」をサポートしたことで、AMDの最新データセンターGPU「AMD Instinct MI300」が利用可能となる。
Fedora 40 Betaにおけるもうひとつのハイライトが、Fedora IoTにおけるOSTreeネイティブなコンテナ(ブータブルコンテナ)の提供だ。Red HatおよびFedoraプロジェクトはOSのアップデートメカニズムとしてLinux環境をファイルツリーとして扱うOSTreeとそのラッパであるrpm‐ostreeの実装を進めているが、今回提供されるOSTreeネイティブコンテナにより、Fedora IoTユーザはOCI/Dockerコンテナイメージを介してOSをアップデートできるようになり、エッジやIoTのユースケースに応じたOS環境を容易に構築できるようになる。
Fedora 40の正式リリース日は現時点で4月16日、または4月23日が予定されており、FedoraプロジェクトリーダーのMathew Millerは正式リリースに向け、開発者に対してFedora 40 Betaのテストを呼びかけている。