この連載はOSSコンソーシアム データベース部会のメンバーがオープンソースデータベースの毎月の出来事をお伝えしています。前回まで連載100回記念の記事構成とさせていただきましたが、今回から平常モードです。引き続きよろしくお願いいたします。
[MySQL]2024年2月の主な出来事
2月のMySQLの製品リリースはありませんでした。MySQL HeatWaveの新機能として、ユーザが独自に作成した証明書をSSL暗号化通信で利用できるようになりました。利用方法はMySQLの公式ブログでも解説されています。
また、MySQL HeatWaveと連動するOCI
MySQL HeatWaveを活用するためのリファレンス・アーキテクチャ
MySQL HeatWaveは、シンプルな更新系の処理を得意とするMySQLサーバーに、分析処理を高速化するアクセラレータとしてのHeatWaveを統合したサービスです。また、機械学習エンジンをデータベースに内包しています。一方で、各種システムからのデータ収集やデータ可視化のためには、他のサービスなどの利用が必要となります。
そこで、OCIの各サービスとMySQL HeatWaveの組み合わせを紹介するリファレンス・
データウェアハウスとしてのMySQL HeatWaveに向けてデータを収集するサービスの例としては、大量データを一括で移行するOracle Data Integrationや、異なるデータベースやアプリケーション間でのデータの差分をリアルタイムで同期するOracle GoldenGateなどのMySQL HeatWave対応のサービス、そのオプション機能などが挙げられています。データの可視化はOracle Analytics Cloudが、データガバナンスにはData Catalogなど多彩なサービスがMySQL HeatWaveに対応し、包括的なデータ活用基盤の設計のためのヒントがちりばめられています。
もちろんオラクルが用意したシステム構成案ですので、Oracle Autonomous Data Warehouseのリファレンス・
[PostgreSQL]2024年2月の主な出来事
2月は最新バージョンの16.
PostgreSQL 16.2とサポート対象の全バージョンの更新版がリリース
2月8日、現在サポート対象になっている全メジャーバージョンの更新版がリリースされました
今回の更新では、1つのセキュリティ脆弱性と、数ヵ月間に報告された65件以上の不具合が修正されています。この更新版を適用する際は、GINインデックスを使用している場合には、更新した後にインデックスを再作成する必要がある場合がある点に注意してください。
以下に、今回の更新に含まれている代表的な項目をピックアップします。
- セキュリティ上の問題:CVE-2024-0985
(PostgreSQLの非所有者による “REFRESH MATERIALIZED VIEW CONCURRENTLY” で任意のSQLが実行される) への対応 - 対象となるのはバージョン12~15で、16は対象外のようです。前述のように、バージョン11ではこの脆弱性の有無は明らかになっていませんが、存在が懸念されそうです。
- その他のバグ修正と改善
- 今回の更新では、過去数ヵ月間に報告された65件以上の不具合が修正されています。以下に、リリースのお知らせに列挙された冒頭の5つを紹介します。これらはバージョン16にも影響するものの一部になります。
- メモリ不足状態を引き起こす可能性があるJITインライン化の実行時のメモリリークを修正
- クエリプランナーのいくつかを修正
- パーティションキー列を更新するときのMERGE動作を調整、および
“AFTER UPDATE ROW” トリガーの起動やその他の更新後のアクションをスキップ “ALTER TEXT SEARCH CONFIGURATION ... MAPPING” コマンド内の重複したトークン名に関する問題を修正 - 重複したロール名を持つ
“DROP ROLE” を修正
PostgreSQL JDBCドライバのセキュリティ脆弱性修正版がリリース
2月21日、JDBCドライバでもセキュリティ上の脆弱性に対応する修正版がリリースされました。上述のPostgreSQL本体とは別の問題です。
対象となる脆弱性はCVE-2024-1597
この脆弱性は、PostgreSQL JDBCドライバであるpgjdbcにおいて
複数のバージョンのpgjdbcが対象となり、今回42.
PostgreSQLの開発に貢献している企業の分析結果
PostgreSQLの開発では、多数の企業とそれら企業に勤める技術者が貢献していることはよく知られています。今回、どのような企業がPostgreSQLの開発に貢献しているのかの集計・
報告は2本に分かれていて、
pg_store_plans (PostgreSQL 実行計画記録ツール) の解説が公開
pg_
このブログでは、pg_
pg_
2024年3月以降開催予定のセミナーやイベント、ユーザ会の活動
オンサイト
オープンソースカンファレンス2024
日程 | 2024年3月1日 2024年3月10日 2024年5月25日 |
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場所 | 〔Online/ 〔Tokyo/ 〔Nagoya〕中小企業振興会館 |
内容 | オンサイト
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主催 | オープンソースカンファレンス実行委員会 |
PostgreSQL互換の分散SQLデータベース「YugabyteDB」を選択すべき10の理由
日程 | 2024年3月5日 |
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場所 | オンライン開催 |
内容 | YugabyteDBはPostgreSQLとの極めて高い互換性をもつ分散SQLデータベースです。データベースを柔軟にスケールでき、読み取りだけでなく、書き込みのスケールアウト・ このセミナーでは、従来のPostgreSQLとの違いを比較しながら開発面、運用面でのYugabyteDB導入のメリットが紹介されます。 |
主催 | Yugabyteジャパン株式会社、SRA OSS LLC |
MySQL 5.7から8.3への移行メリットと注意点
日程 | 2024年3月18日 |
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場所 | 日本オラクル株式会社 本社 セミナールーム |
内容 | MySQL 5.
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主催 | 日本オラクル株式会社 MySQL Global Business Unit |