Fedoraプロジェクトは2024年4月23日、「Fedora Linux 40」のリリースを発表した。エディションとしては「Workstation(デスクトップ)」「Server(サーバ)」「IoT(エッジ)」「Cloud(軽量VM)」「CoreOS(コンテナ最適化)」が用意されており、すでにダウンロード可能となっている。
Fedora Linux 40はカーネルにLinux 5.8、デフォルトデスクトップにはGNOME 46、KDEバージョンのスピンにはKDE Plasma 6をそれぞれ採用し、最新のデスクトップ環境を提供している。また、パッケージ管理システムにrpm‐osstreeを採用した「Fedora Atomic Desktop」ブランドも今回から正式提供となる。
AI関連のアップデートとしては、Fedoraとして初めてディープラーニングフレームワークである「PyTorch」パッケージを同梱しており、ユーザは適切なドライバやライブラリの選定/インストールに悩むことなく、すぐにPyTorchを利用することができる。現在はCPUのみ実行可能だが、近い将来にはGPU/NPUアクセラレーションのサポートも検討されているという。また、AMDGPU(Radeon GPU)向けのオープンソフトウェアプラットフォーム「ROCm 6」も同梱されており、こちらも将来的にはPyTorchでも有効となる予定だ。
40番目というアニバーサリーリリースにプロジェクトリーダーのMatthew Millerは「コミュニティによって構築され、コミュニティによって維持されてきたオペレーティングシステムであり、我々全員の所有物であるFedora Linuxの40番目のリリースを発表できることを誇りに思う」と“big number”のGAに喜びをあらわしている。Fedora 40はMillerがプロジェクトリーダーとなってから20回目のリリースとなるが、「この10年間、我々は多くのことを経験してきたが、コミュニティが成長/発展していく様子を見ることができたことが本当にうれしい。昔からのよく知っている仲間に加え、最近では新しいエネルギーとアイデアをもっている新世代も育ってきている。年齢にかかわらず誰もが参加できるフレンドリーなコミュニティを構築し、包括性や多様性、アクセシビリティの向上に取り組んでこれたことを心から誇りに思う」とあらためてコミュニティへの感謝を述べている。