この連載はOSSコンソーシアム データベース部会のメンバーがオープンソースデータベースの毎月の出来事をお伝えしています。
OSS全般での気になる動き
OSSデータベースに特化した話題ではありませんが、OSS全般のニュースを2つ取り上げます。
IPAがOSS推進のための情報発信をスタート
3月19日、独立行政法人情報処理推進機構
OLL Awards褒賞者発表
3月7日、一般社団法人オープンソースライセンス研究所
ライセンスはOSSの特徴的な面であるにもかかわらず、正しい理解が難しいものでもあります。また、ここ数年間は、クラウドサービス事業での利用に関連してOSSデータベースが独自のライセンス体系に切り替える事例がいくつも出てきています。ライセンス分野で専門的知見を持った方や、OLLのような団体の活動がこれまで以上に重要になってきそうです。
[MySQL]2024年3月の主な出来事
3月のMySQLの製品リリースはありませんでした。MySQL HeatWaveのサーバーの仕様と課金単位を表すものとして
なおMySQL HeatWaveの正式名称が、従来のMySQL HeatWave Database ServiceからMySQL HeatWave Serviceに変わっています。名称変更の理由は公開されていませんが、HeatWave Lakehouseが加わったことでこれまでのリレーショナルデータベースの世界を飛び出して、より多彩なデータを管理および分析対象とできるようになったことを踏まえて、あえてDatabaseをサービス名から削ったとみることもできます。なお通称はMySQL HeatWaveのままです。
MySQL HeatWaveの「シェイプ」―OCPUとECPU
「シェイプ」
CPU | OCPUシェイプのカテゴリ名 |
---|---|
AMD EPYC 7742 | MySQL. |
AMD EPYC 7J13 | MySQL. |
Intel Xeon Platinum 8358 | MySQL. |
Intel Xeon 6354 | MySQL. |
1 OCPUは1物理コアに該当します。実際のシェイプ名は物理コア数とメモリサイズが含まれています。たとえばAMD EPYC 7J134を4物理コアと64GBのメインメモリを搭載したシェイプの名称は、MySQL.
OCPUシェイプではHeatWaveクラスターを追加できるシェイプが限られており、
- 16 OCPU+512GBメモリを搭載したMySQL.
HeatWave. VM. Standard - 128 OCPU+2048GBメモリを搭載したMySQL.
HeatWave. BM. Standard
のいずれかのみとなります。後者はベアメタルのマシンになります。
ECPUはElastic Central Processing Unitの略で、サーバーのハードウェアのアーキテクチャに依存しない課金体系です。1 ECPUあたり8GBメモリを含んだ価格となっています。
たとえば上記の例の4 OCPU+64GBメモリのシェイプで比較すると、同等のECPUシェイプの名称はMySQL.
[PostgreSQL]2024年3月の主な出来事
3月はPostgreSQL本体のバージョンアップはありませんでしたので、周辺ツールのリリースなどをお知らせします。その前に、この連載で以前から注目しているProject Tsurugi
劔“Tsurugi”のロードマップ
劔“Tsurugi”
2024年から2025年の期間に、リリース候補
さらにロードマップとしては2026年以降の計画というか目論見も示されています。中長期で野心的な挑戦がまだまだ続きそうですので、これからも劔
CloudNativePG関連いろいろ
3月15日にCloudNativePGのバージョン1.
今回のマイナーリリースでは、次のような機能強化や改善が成されています。
- GUC
(Grand Unified Configuration) パラメータのwal_ levelのカスタマイズ - オペレータが管理するTLS証明書の構成可能な期間
- publicationとsubscriptionコマンドグループがcnpgプラグインに導入されて、ネイティブ論理レプリケーションのシームレスな管理が容易に
- その他のバグ修正
また、同じく3月にCloudNativePGに寄与しているEDBからもCloudNativePGおよびEDB Postgres Distributed for Kubernetesに関する情報発信がありました。これらの情報も参考になるでしょう。
PostgreSQL JDBC 42.7.3, 42.6.2, 42.5.6, 42.4.5, 42.3.10, 42.2.29がリリース
3月19日に、PostgreSQL用のJDBCドライバのマイナーバージョンがリリースされています。JDBCドライバについては、この連載の前回に脆弱性が見つかり修正版が出ていることをお知らせしましたが、今回はそこからマイナーバージョン番号が1つ上がっています。今回のリリースには次の点が修正されています。
- ブール型を単純なクエリモードで処理
- Java 8で実行中のByteBuffer#positionでのNoSuchMethodErrorに対処
2024年4月以降開催予定のセミナーやイベント、ユーザ会の活動
イベントごとに利便性のあるオンライン開催や、従来通りのオンサイト
オープンソースカンファレンス2024 Nagoya/Hokkaido/Kyoto
日程 | 〔Nagoya〕2024年5月25日 〔Hokkaido〕2024年6月29日 〔Kyoto〕2024年7月27日 |
---|---|
場所 | 〔Nagoya〕中小企業振興会館 〔Hokkaido〕札幌市産業振興センター 〔Kyoto〕京都リサーチパーク |
内容 | 今回お知らせするNagoya、Hokkaido、Kyotoはいずれも展示とセミナーの両方を会場にて開催します。セミナーのオンライン配信は予定されていません。ただし、出展者が独自に配信を行うセミナー枠はあるかもしれません。Nagoyaは4月15日まで出展募集中、Hokkaidoは4月上旬に出展募集を開始予定、Kyotoは5月上旬から出展募集を開始予定です。OSSデータベース関連の展示やセミナーは、出展者の決定後に各開催回のWebページをご参照ください。 |
主催 | オープンソースカンファレンス実行委員会 |
MySQLで実践する機械学習 - HeatWave AutoML (Oracle AI Brown Bag Seminar#10)
日程 | 2024年4月12日 |
---|---|
場所 | オンライン |
内容 | MySQL HeatWaveでは機械学習プラットフォーム |
主催 | Oracle Code Online |
クラウドデータウェアハウスは絶対MySQL HeatWaveを見るまで決めるな!
日程 | 2024年5月24日 |
---|---|
場所 | 日本オラクル株式会社 本社 セミナールーム |
内容 | 機械学習とビッグデータはデータ活用における近年のキーワードであり、昨今は生成AIの文字を見ない日はありません。多くのお客様がこれから導入したいテクノロジーとして検討されています。今回はデータ活用に豊富な経験をお持ちのパートナーである株式会社ジール様をお迎えし、業務に即したデータを用いて機械学習およびビッグデータ活用の現実面をご紹介いたします。データ活用における想定外のレスポンス遅延や予算オーバーなどの課題をお持ちの方はもちろん、BIツール選定や機械学習の採用に悩まれている方もぜひこの機会にHeatWaveの驚異的なスピードと機能をご体感ください。 |
主催 | 日本オラクル株式会社 MySQL Global Business Unit |
MySQL5.7の次ステップの最適解:移行を成功させるノウハウを半日で習得(大阪開催)
日程 | 2024年4月25日 |
---|---|
場所 | TKPガーデンシティPREMIUM心斎橋 カンファレンスルーム4E |
内容 | MySQL 5. 本セミナーでは、MySQL 5. |
主催 | 日本オラクル株式会社 MySQL Global Business Unit |