FreeBSD 14.1がリリース

FreeBSD Foundationは2024年6月4日、FreeBSDの最新リリース版であるFreeBSD 14.1-RELEASEを公開した。

FreeBSD 14.1の主な特徴は以下の通り。

  • Cライブラリにamd64アーキテクチャで文字列およびメモリ操作を行うSIMD実装が追加され、パフォーマンスが向上
  • サウンドサブシステム(デバイスのホットプラグを含む)が改善
  • OpenStackほか多くのホスティングと互換性がある、ネイティブcloud-init(構成ドライブ)サポート
  • OpenZFSが2.2.4にアップグレード
  • Clang/LLVMが18.1.5にアップグレード
  • OpenSSHが9.7p1にアップグレード

FreeBSD 14.1-RELEASEの入手はFreeBSDプロジェクトの入手情報ページから。

FreeBSD 14.xシリーズではシステムの堅牢性、セキュリティ、およびハードウェアの互換性が大幅に強化されている。

ネットワーク機能として、カーネルTLS(KTLS)の機能強化により暗号化通信のセキュリティとパフォーマンスが向上したほか、TCPのデフォルトの輻輳制御アルゴリズムとしてCUBICを採用し、以前のNewRenoより広い帯域幅を割り当てることが可能となり、データ転送のパフォーマンスが向上した。また、MACアドレスフィルタリングにipfw(4)のradixテーブルを実装し、MAC アドレスの処理とフィルタリングがより効率的になったという。

IPv6では、IPv6 Rapid Deployment(6rd)がサポートされ、パフォーマンスが上がったほか、pfsyncの機能強化によりIPv6トランスポートをサポートし、ファイアウォール間の状態テーブルの同期がスムーズになった。

ストレージ関係ではZFSの機能強化としてOpenZFSがv2.2.4にアップグレードされ、I/Oプリフェッチなどのパフォーマンスが改善された。また新たに起動時にZFSデータセットを自動的に復号化するzfskeys機能が追加されている。

ユーザランドでは、rootユーザのデフォルトシェルが、機能強化されたsh(1)になった。cshやbashなどのシェルより脆弱性が少ないshを使用することで環境が簡素化され、セキュリティも向上するという。また、デフォルトのMTAはsendmail(8)からDragonfly Mail Agent(dma(8))になり、mailer.confで設定される。MTAの起動スクリプトはrc.confの設定から除外された。

今後は、各種32ビットアーキテクチャのプラットフォームサポートを段階的になくしていく予定だが、32ビットアプリケーションの実行環境は継続してサポートされる。なお、portsとpackeagesの32ビットビルド環境はFreeBSD 15.0以降のリリースではサポートしない予定。

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