NVIDIA vGPUはホストサーバ上の物理GPUのメモリを仮想的に分割し、複数の仮想マシン(VM)に割り当てることで、各VM上で動作するさまざまなワークロード(グラフィクスを多用する仮想ワークステーション、データサイエンス、AIなど)に強力なGPUパフォーマンスを提供するソリューション。Wangは「NVIDIA Ada」世代をサポート対象に、Skeggsらが以前に構築したNouveau(DRMドライバ)/NVKM(NVIDIA Kernel Module:コアドライバ)コードにvGPUサポート(Virtual Function I/Oモジュールの実装など)をフックする形でこのパッチを作成している。
ただしNVIDIA側は「vGPUは商用プロダクトとして、Cで書かれた古いカーネルへのバックポートすることを前提にしているが、C以外では困難/不可能」としており、Rustコードを対象としてないことから、Rustで書かれたオープンソースのGSP(GPU System Processor)サポートドライバ「Nova」とは「何らかのかたちで共存していくことが必要」(NVIDIA)としている。