Linus Torvaldsは9月29日、次期Linuxカーネル「Linux 6.12」の最初のリリース候補(RC)版となる「Linux 6.12-rc1」を公開した。「Open Source Summit Europe」などLinusやカーネルメンテナーが出席するカンファレンスが続くなかでのリリースとなったが、Linusによればとくに大きな問題も発生せず、「ほぼ通常通りに事が運んだ(things seemed to go mostly fairly normally)」という。
Linux 6.12はエキサイティングな機能がいくつか実装されることが期待されているが、そのなかでもLinusが「注目すべき新機能」としてピックアップしているのが、リアルタイムLinuxを実現する「PREEMPT_RT」のメインラインへの統合と、新しいスケジューリングクラスとなる「sched_ext」のマージだ。とくにPREEMPT_RTの統合は2000年代前半から開発が進められており、Linus自身もリアルタイムLinuxのメインライン統合に強い意欲を見せていたが、技術的な課題が多いことなどからなかなか実現には至らなかった。今回マージされたPREEMPT_RTのサポートは、カーネル開発者たちによる実に20年越しの努力の結晶ともえいる。
Linux 6.12は2024年11月中旬以降に正式版がリリースされる予定となっており、長期サポート(LTS)のカーネルとなる可能性が高いとみられる。