本連載では、Blenderの基本的な知識、機能についてイラストを交えながら紹介しています。第42回目は、Blenderに用意されている物理演算の一種である流体に関する設定方法について学んでいきます。
流体とは
Blenderで用意されている物理演算の一種に「流体」があります。「流体」を使うことで、液体の表現をしたり、煙の表現をしたり、といったことが可能です。
流体の設定方法
液体が流れる動きを再現するには、まず、物理演算を適用させる範囲を決めます。例えば、直方体を作成し、「この直方体の中にあるオブジェクトに流体の動きを適用する!」といったイメージです。この物理演算を適用させる範囲を決めるオブジェクトのことを「ドメイン」と言います。
さっそく、ドメインを設定していきましょう。直方体を配置したら、クリックして選択状態にしたまま[物理演算プロパティ]から[流体]を選択します。すると、[タイプ]を選択できるようになるので、[ドメイン]を選択します。
さらに設定項目が表示されるので、[ドメインタイプ]を[液体]に変更します。こうすることで、直方体をドメインとして設定できました。このあと、液体を流す動きを再現した際、この直方体内に液体が溜まっていくような動きになります。
次に、水が流れる元となるオブジェクトを作っていきます。球体を配置したら(球体でなくても問題ありません)、同じく[物理演算プロパティ]から[流体]を選択します。すると[タイプ]を選択できるようになるので、[フロー]を選択します。
さらに設定項目が表示されるので、[フロータイプ]を[液体]にします。[フローの挙動]という設定項目もありますが、そこは一旦そのままの状態にしておきます。Spaceを押してアニメーションを再生すると、球体から液体が一瞬流れる動きが再生されます。
そして、[フローの挙動]を[流入口]に変更して、アニメーションを再生してみると、液体が注がれるような動きが再生されます。
設定を変更してみよう
液体が注がれるような動きに対して、いろいろと設定を変更してみましょう。[ドメイン]を設定している直方体を、画面右上にあるアウトライナーから選択します。
すると、[物理演算プロパティ]に設定項目がいろいろと表示されます。例えば、[シュミレーション方法]では[FLIP]と[APIC]の2種類が用意されています。それぞれ変更してみると、液体が注がれた後の勢いなどが変化します。
また、[液体]の中にある[拡散]という項目のさらに中にある[高粘度ソルバー]にチェックを入れると、液体をドロッとした粘土のあるものに変更できます。
このように、液体を注ぐアニメーションを作りたいときに、「流体」を使うと便利でしょう。
今回は、物理演算の一種である「流体」について見ていきました。次回も物理演算の一種である、クロスとフォースフィールドについて見ていく予定です! 次回もよろしくお願いします!