イラストでわかる! Blenderの基礎知識

Blenderでオブジェクトが転がる表現をしてみよう

本連載では、Blenderの基本的な知識、機能についてイラストを交えながら紹介しています。第47回目は、Blenderに用意されている物理演算の一種であるリジッドボディに関する設定方法について学んでいきます。

リジッドボディとは

リジッドボディとは、簡単に言うと「硬いもの」の表現をできる物理演算です。例えば、物と物とが転がってぶつかるような表現や、物が落下し衝突するような表現をすることが可能です。

リジッドボディの「アクティブ」「パッシブ」について知ろう

リジッドボディでは、⁠アクティブ」「パッシブ」といった設定を各オブジェクトに設定するため、少なくとも2つのオブジェクトが必要です。

それぞれの役割を簡単に見てみます。例えば、あるオブジェクトを落下させて別のオブジェクトに衝突させる動きを作ってみましょう。このとき、落下させる方のオブジェクトを「アクティブ⁠⁠、衝突される方のオブジェクトを「パッシブ」として設定します。

つまり、⁠オブジェクト自体が動くもの」「アクティブ⁠⁠、⁠オブジェクト自体は動かないもの」「パッシブ」として設定するわけです。

リジッドボディの設定をしよう

それぞれの役割がわかったら、さっそくオブジェクトにリジッドボディを設定していきます。今回は、オブジェクトが落下して坂を転がるような動きを作ってみます。

まず、転がすような球のオブジェクトと、坂道になる立方体のオブジェクトをShift+Aでそれぞれ配置します。

それぞれオブジェクトが配置できたら、立方体のオブジェクトを薄くし、坂道になるように少し傾けます。UV球のオブジェクトは、坂道の一番上にある程度高さを持たせて配置します。

オブジェクトの調整ができたら、各オブジェクトを選択して[物理演算プロパティ]から[リジッドボディ]を選択して、物理演算を適用させます。そのあと、UV球のオブジェクトを[アクティブ]に、坂道となるオブジェクトを[パッシブ]にします。

いろいろな値や設定を変更してみよう

この状態でSpaceを押しアニメーションを再生させると、UV球が坂道に衝突し、転がっていくアニメーションが再生されます。

最後に、今回のアニメーションの設定では使いませんが、物理演算の設定によって動きが変化するものを見てみましょう。

見ていくのは、⁠パッシブ]を設定したオブジェクトに関するものです。

例えば、立方体の形のオブジェクトがあり、その立方体には上面がなくへこんだ形だったとします。そこにオブジェクトが落下している動きをつけたとき、デフォルトの設定だと、オブジェクトはへこんだ形に沿わず、立方体に上面があるような動きをします。つまり、中までオブジェクトは入っていかず、その手前でオブジェクトが止まってしまうのです。

そこで、立方体のオブジェクトを選択した状態で[物理演算プロパティ]内の[コリジョン]内にある[シェイプ][メッシュ]に変更すると、しっかりとへこんだオブジェクトの中にオブジェクトが落下するようになります。


今回は、物理演算の一種である「リジッドボディ」について見ていきました。次回は、さらにその「リジッドボディ」に対して設定を行える「リジッドボディコンストレイント」について見ていく予定です。次回も読んでくださると嬉しいです!

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