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期待外れ? そんなことはない「rabbit r1」レビュー④

先週は出張づくめで、rabbit r1を自宅に置いたままにしていたので、あまり使う機会がありませんでした。とは言え、新い発見があったのでご紹介します。

うさぎの巣を用意しました

自宅で使う際の置き場所としてスタンドを購入してみました。Aliexpresで「rabbit r1 stand」をキーワードに検索してヒットする商品で300円から購入できます。

スタンドにrabbit r1を置いた様子
スタンドにrabbit r1を置いた様子

ものは、3Dプリンタで印刷されているので品質はそれなりです。

また、郵送の段階で破損したのか、スタンドの足の一部が欠けていましたが、このあたりはご愛嬌です。3Dプリンタで印刷したものはバリが気になります。これは、ガンプラで培った技術を活かして、やすりがけを考えましたが、結構な大きさで時間がかかりそうなので手をつけていません。

スタンドは専用品なので完璧な出来栄えで、rabbit r1の丸まった角にもスタンドの角がフィットしています。ただし、先だって購入していたシリコンケースを着けた状態では、スタンドに置けないので、持ち出す時だけそれを着ける運用が必要になりそうです。これでrabbit r1の居所ができて、机の上での収まりは良くなりました。

使うときはサイドボタンを押して話かける必要があるので、スタンドから本体を手に取るか、スタンドに置いたままでは、本体に左側に親指をかけて、人差し指でサイドボタンを押して話しかける使い方をします。

スタンドに置いた状態だと口とマイクの距離が80センチくらい開くことになります。rabbit r1に搭載されているmic arrayは性能が良いのか、自宅の書斎やオフィスなど、少々の雑音があるような環境であれば問題なく使えます。

この使い方の場合、rabbit r1までの距離が少しあるので、ディスプレイに表示される情報が見づらいと感じるかもしれません。これは改善方法(?)があるので次でご紹介します。

好みを理解するのもAIの力か?

ディスプレイの情報が見づらいを解消するのに「generative ui」を使います。

これは、rabbit r1のユーザインターフェースを任意のスタイルに変更する機能です。設定は、デバイス単体だとボイスプロンプトとビジョンモードで指示ができます。また、Webサービスのrabbitholeでもカスタムプロンプトが入力できます。

rabbit support - How to use generative UI on rabbit r1

たとえば、筆者はrabbitholeに以下のカスタムプロンプトを入力しています。

「画面から離れていても見やすいように、大きいフォントを使って表示してください。」

この結果の画面表示は以下のような感じです。

スタイルを変更したところ
スタイルを変更したところ

フォントサイズが大きくなっていないように見えるので、これは日本語フォントの問題かもしれません。結果、見づらいは解消できていませんが、行間が広くなり見やすく変更されています。

スタイルは変更幅が広いようで、たとえば「春を感じるようなスタイルにしてください」と指示をすると、画面が淡い桜色になり、画面の上部から花びらが落ちるアニメーションが行われます。他、iOS風にしてくださいとすると、以下の画面デザインになります。

iOS風のスタイルに変更したところ
iOS風のスタイルに変更したところ

プロンプトは、英語で書く必要はなく日本語も理解します。

プロンプトの指定で、UIがカスタマイズできる仕組みを、カスタマイズではなく、状況に応じて変化できる仕組みとすれば見え方が変わります。

たとえば、相手の状況に合わせて画面を見やすくしたり、季節や好みでスタイルに変化が加えられるのは、人らしい考え方で、コンピュータと人の垣根が低くなるようにも感じます。となれば、従来のスイッチによる設定画面ではなく、自然言語が使える方が誰しもが気軽に使えます。

rabbitholeでプロンプトを指定している様子
rabbitholeでプロンプトを指定している様子

音声も「magic voice」と呼ぶ、声色を変更できる仕組みが用意されています。これもgenerative uiと同様の方法でカスタマイズができます。

rabbit support - How to use magic voice on rabbit r1

これも筆者は、以下のようなプロンプトを入力しています。

「洗練されて上品な印象を受ける、日本語が話せる男性の声に変更してください。また、中国語は使わないでください。」

日本語の音声合成は、漢字が続くと中国語で読み上げられるので「中国語を使わないでください」と指示すれば、なくなるかもしれないと考えたのですが、結果だけ見ればこの指示は無視されているようです。元々は、声のスタイルを変更できる機能なので、当然と言われればそのとおりです。

声色をいわゆる設定画面ではなく、自然言語で指定できるのはおもしろい仕組みです。IT関連の機器で使われている音声は、高級機も普及機も同じものが使われていることに違和感を感じていました。

magic voiceは、比較的簡単に声色が変えられるので、長年の違和感を解消する仕組みが登場したのかもしれません。

generative uiとmagic voiceを見せられると、これまでソフト側で持っているカスタマイズの幅やあり方を考えさせられます。

今週は、このあたりで、また来週。

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