コミュニティフォーラムソフトウェアのDiscourseは、2年前にFediverseと接続するためにActivityPubプラグインを開発を始めたが、今回改めて2025年4月現在のActivityPubプラグインの機能を案内した。
なお、ActivityPubプラグインを開発している理由には、Discourseのコミュニティのリーチを拡大し、他の空間で活動する人々との橋をかける手段であることを挙げている。また、Fediverseのオープン性、分散化、データ所有権の考え方と同じ方向を向いていることにも触れている。
Post by @Discourse@mastodon.social
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ActivityPubによるソーシャルメディアとの連合
ソーシャルメディアとフォーラムソフトウェアには共通点も多いが、ソーシャルメディアでは主にフィード(タイムライン)で投稿(コンテンツ)を見るのに対して、フォーラムソフトウェアではトピックごとに投稿が整理され、さらにカテゴリやタグといった分類で細分化されるという重要な違いがあるとし、その点を考慮してActivityPubプラグインを開発しているという。
具体的には、DiscourseのカテゴリやタグをFediverseユーザーがフォローできるActorsとして扱う。これにより、ソーシャルメディアのユーザーがDiscourseのそれらのコンテンツを自分のフィードで閲覧できるようになる。
また管理者は各トピックにおいて、すべての投稿を連携する「フルトピック連合(フェデレーション)」と、最初の投稿だけを連携する「ファーストポスト連合」のどちらかを選択できる。このことについて、ソーシャルメディアでは元の投稿が特に重要視される傾向にあるが、フォーラムでは最初の投稿は議論の始まりに過ぎず、返信も同じくらい重要になることもあるためと説明している。それによって柔軟な連合が可能になる。
実際に、ActivityPubプラグインはDiscourseの公式サポートコミュニティ「meta.discourse.org」にインストールされていて、複数のカテゴリやタグで有効化されている。たとえばaiタグではフルトピック連合が有効になっており、meta.discourse.org上で投稿・返信された内容は、他のActivityPub対応アプリケーションのユーザーが@discourse-ai@meta.discourse.orgをフォローすることで閲覧できる。またAnnouncementsカテゴリではファーストポスト連合が有効になっていて、@announcements@meta.discourse.orgをフォローすることでAnnouncementsカテゴリの各トピックの最初の投稿だけをActivityPub対応アプリで閲覧できる(告知は最初の投稿が重要であるため、そのように連合の設定をしているそうだ)。
Discourse間の連合も実現
ActivityPubプラグインによって、Discourseサーバー間の連合も可能になった。これにより、Discourseコミュニティ同士において双方向のやり取りができる。
例として、meta.discourse.orgのactivitypubタグと、ActivityPubに関してのコミュニティ「socialhub.activitypub.rocks」のDiscourseカテゴリが、Fediverse上で相互フォローの状態になっていることを紹介した。これにより、どちらのコミュニティのユーザーも、もう一方のコミュニティに移動することなく情報を確認できるようになっている。