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新UI「Material 3 Expressive」さっそく試せるぞ

5月13日に開催された「The Android Show: I/O Edition」で、新UIの「Material 3 Expressive」が発表されたものの、導入はAndroid 16のリリース後とされていたので、当面は絵に描いた餅のようなもので試せないと考えていました。

しかし、5月20日からロールアウトされた「Android 16 QPR1 Beat1」には、Material 3 Expressiveが導入されたので試すことができるようになりました。

リリースされたAndroid 16 QPR1 Beta1は、四半期ベースでの大型アップデートの1回目のベータリリースであることを示しています。QPR1 Beta 1は、Google Pixel 6以降かつAndroid 16のベータプログラムに参加していれば試せます。

Android ベータ プログラム

今回は、実際に触ってみて気づいた3点をご紹介します。

フォントが見やすくなりました

初見で感じたのは、文字が見易くなったことです。

具体的には、フォントサイズが少し大きくなり、文間がわずかですが広くなったことで、視認性が高くなり文字の判別がし易くなっています。

振り返ってみると、Androidのシステムフォントは何度か変更されています。まず、Android 4.0以降でDroid Sansから、現在もシステムフォントとして使われているRobotoに変更されました。これは、フォントデザインの悪さを幾度となく指摘された結果ですが、おかげでモダンなフォントになり見やすくなりました。

次に、Android 8.0から「Google Sans」が導入されます。

これは、Pixelシリーズ向けのフォントとして使われるのに留まっており、システムフォントにはなっていません。

Material 3になってもシステムフォントは変わらずで、今回、見やすくなったと感じたのは先の調整による結果です。

グラフエフェクトは引き続き非推奨です

通知パネルの背景とクイック設定パネルの背景、ホーム画面でアプリドロワーを表示したときの背景は僅かながら透けています。

これは、Android 12以降のPixelシリーズて使われているユーザインターフェースのエフェクトで、Material 3 Expressiveが適用されたAndroid 16 QPR1でも、同じ箇所で同じエフェクトが使われています。

Material 3の設計思想では、階層や奥行きを表現するときは影と色を使います。透過やぼかし処理は、アクセシビリティへの配慮もあってかカスタムデザインです。現に、AOSP版のAndroidでは、通知パネルやクイック設定、ホーム画面の背景でグラスエフェクトは使われていません。

見比べるとPixelシリーズの方は、上品でモダンな印象は受けますが、Material 3ではカスタムデザイン扱いなので、これに頼り過ぎないユーザインターフェース デザインが必要になりそうです。

また、Material Youで実装されたキーカラーの自動選択は、ビビットな色が優先して選ばれる印象でしたが、Material 3 Expressiveでは、自然に感じる色が優先して選ばれるようになった印象を受けます。

心地良さを感じるアニメーション

Material 2は、アニメーションの時間が100から200msでやや速めだったのに対して、Material 3では150から300msとなってなっており速度が遅くなっています。

数値だけ見れば、遅くなったことでストレスになると考えるかもしれません。しかし、アニメーション曲線が、Material 2ではリニアだったのに対して、Material 3では、オプジェクトの動きが急に変わることなく、徐々にスピードを変化するEasing曲線に変更されました。

このおかげで、滑らかかつ自然な動きが心地良く感じるようになったので、時間が僅かに伸びてもストレスにはなりません。

また、操作中に随所で発生するパプテックフィードバックも、操作に説得力を持たせるのに重要な要素になった印象です。これも使いすぎると、煩わしく感じるので、ある程度の節度は必要になりますが、心地良さと自然さを表現する手法として活用できます。

今週は、このあたりで、また来週。

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