Anthropic⁠ワンクリックでローカルMCPサーバーをインストールできる「Desktop Extensions」リリース

Anthropicは2025年6月25日、Claude Desktop上でボタンをクリックするだけでローカルMCP(Model Context Protocol)サーバーをインストールできるパッケージツール「Desktop Extensions」をリリースした。

ローカルMCPサーバーは、ローカルAIアプリとMCPを使った連携やプライベートデータへのアクセス、開発ツールとの統合などをユーザのローカル環境で実現できる一方、そのセットアップには設定ファイルの手動での編集や依存関係の管理などが必要であり、ユーザにとって大きな負担となっていた。

Desktop Extensionsはこれを簡単な操作で実現できる仕組みである。ユーザは「.dxtファイル」と呼ばれるDesktop Extensionsパッケージをダウンロードし、macOSまたはWindowsで動作するClaude Desktop上にドラッグ&ドロップで読み込み、インストールボタンを押すだけでローカルMCPサーバーをインストールできる。

Desktop Extensionsは、MCPサーバー自体と、その動作に必要な情報をClaude Desktopに伝えるmanifest.jsonなどを含むzipアーカイブ形式のパッケージである。MCPサーバー自体はNode.js、Python、バイナリ実行ファイルのいずれかで実装でき、Node.js拡張の場合はNode.jsランタイムがClaude Desktopにビルトインされているため、ユーザがNode.jsを個別にインストールする必要はない。また拡張機能はClaude Desktopの新しいバージョンとともに自動更新される。さらにMCPサーバーの動作に必要なAPIキーなどの機密設定はOSキーチェーンに保存される。

# Node.js拡張の例
extension.dxt (ZIP file)
├── manifest.json
├── server/
│   └── index.js
├── node_modules/
├── package.json
└── icon.png

# Python拡張の例
extension.dxt (ZIP file)
├── manifest.json
├── server/
│   ├── main.py
│   └── utils.py
├── lib/
├── requirements.txt
└── icon.png

# バイナリ実行ファイル拡張の例
extension.dxt (ZIP file)
├── manifest.json
├── server/
│   ├── my-server
│   └── my-server.exe
└── icon.png

Desktop Extensionsを作成するには、MCPサーバーの概要や起動するための設定などの情報を含むmanifest.jsonを記述する必要がある。manifest.jsonはCLIツール(@anthropic-ai/dxt)を用い、dxt initコマンドでインタラクティブに作成できる。その後、dxt packコマンドでMCPサーバーを.dxtファイルとしてパッケージし、作成した.dxtはClaude Desktopの設定画面にドラッグ&ドロップし、インストールボタンで導入・テストできる。

Desktop ExtensionsはMITライセンスのもと、オープンソースツールチェーンの一部としてGitHub上で公開されている

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