Cloudflare⁠エッジで動作するコンテナ基盤「Cloudflare Containers」パブリックベータで提供開始

Cloudflareは2025年6月24日、同社のエッジネットワーク上でコンテナを動かすための「Cloudflare Containers」機能をパブリックベータで提供開始した。サーバーレスのコード実行環境であるCloudflare Workersと連携しながら、さまざまなアプリケーションやサービスをコンテナとして簡単にグローバル展開できるようになる。

Cloudflare Containersを使うことで、メディアやデータ処理、任意言語によるバックエンドサービス、バッチ処理するCLIツールなど、従来Workers単体では難しかった用途に対応できる。コンテナはWorkersや他のCloudflare開発者向けプラットフォームと密接に統合されており、シンプルな設定とwrangler deployコマンドでデプロイできる。リージョン管理も不要で(リージョンEarthにデプロイ⁠⁠、グローバルに自動展開される。

開発者は、Containerクラスやwrangler.jsoncでイメージやポート、スリープタイムアウトなどを設定し、Workerから動的にコンテナを起動、制御できる。それによって、各リクエストごとに新しいインスタンスがグローバルネットワーク上の最適なエッジロケーションで立ち上がる。これは、エッジロケーションに事前にコンテナがプロビジョニングされることで実現している。また、ローカル開発時はwrangler devでイメージのビルドやルーティングも行える。

この仕組みにより、Dockerイメージを使ったアプリやサービスもエッジネットワーク上で実行できる。運用中はダッシュボードからインスタンスごとの状態やリソース使用量を可視化でき、ログも7日間保存されるほか外部出力が可能になっている。

ブログではCloudflare Containersを使った事例として、FFmpegを使った動画変換、cronジョブの実行、静的フロントエンドとコンテナ化されたバックエンドの組み合わせ、AIエージェントによるコード実行などが紹介されている。また、Durable Objects(状態管理⁠⁠、Workflows(ワークフロー自動化⁠⁠、Queues(メッセージキュー⁠⁠、Agents(AIエージェント⁠⁠、R2(コンテナのデータやメディア保存)など他のCloudflareサービスとも連携し、より高度なアプリケーション構築可能になることが言及されている。

料金体系は従量課金制で、インスタンスの起動中のみ課金される。メモリ・CPU・ディスクごとに10ミリ秒単位で課金され、一定量まではWorkers Standardに含まれる。リージョンごとに異なる外部へのデータ転送(Egress)料金も設定されている。

今後は、より大きなインスタンスや同時実行数の拡大、グローバルオートスケーリング、コンテナとWorker間の通信追加、同社の他サービスとのさらなる統合が予定されている。

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